たまりば

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僕らの流儀♪


僕らの流儀♪



位置エネルギー上、水は高い所から低い所へと流れるものです。
青梅街道を奥多摩湖を目指して走っていると、なだらかな上りなので感覚的には殆どフラットに見えてあまり上り坂だとは意識しなかったものの、(帰路はさすがに下り坂だとは理解できましたが)到着してみれば少し涼を感じられる標高500メートル強の水辺と緑に囲まれた場所でした。
水は高い所から低い所へ流れるものだという当たり前のことを考えれば、多摩川の源流みたいなこの場所が東京23区内よりは高い場所にあるのも当然でした(笑)。

“都民のオアシス”として親しまれている奥多摩エリアですし、東京都の水瓶として機能している奥多摩湖は正式名称を『小河内貯水池』と呼ぶ人造のダム湖です。
水底に沈む前は、ここには小河内村が存在し、湯治場的な温泉もあったそうです。
水道水や電力の確保や治水上といった「国策」で、全国各地に建設されたダムでやむなく消滅した村は多かったんでしょうし、恐らく反対運動もあったことでしょう。
僕の古里は静岡県浜松市ですが、横を流れる天竜川上流にダムが複数建設された影響かどうかは定かではありませんが、河川から供給される堆砂が減って土砂バランスが崩れてしまったせいか海岸線の浸食が進んで、子供の頃から親しんできた中田島砂丘や砂浜(前浜)が見る影もなく消失しつつあるような話も耳にします。
ダムとの因果関係はわかりませんが、開発と自然の関係は複雑な気がします。
バイク小説の古典でもある片岡義男の『彼のオートバイ、彼女の島』(1977年)でも主人公コオの故郷は丹沢水系のダムに沈んだ村のひとつだとの設定がなされていたことをふと思い出しました。

ともあれ、58歳ビギナー&リターン凸凹組は奥多摩湖畔に到着したので、途中のコンビニで買い求めた、インスタントの味噌汁とスープ、おむすび、サンドウィッチで朝ごはんです。食後はもちろんコーヒータイムです。
自称“貧者のトップケース”こと収納BOX内にはお湯を沸かせるくらいの道具類は常に携行しています。もしも景色の良い場所に遭遇したりなんかしたら、休憩を兼ねて“野点”でお茶の一服もしたいですからね。
そんな心の余裕や遊び心も必要でしょうし、何事も備えあれば憂いなしと♪(#^.^#)
幸いDAEGはカワサキ車の伝統で積載能力も想像以上に高いのです(笑)。
果たして、「走り」に出ているのか、「和み」に出かけているのか実のところ怪しい夫婦ですが、本人たちは「バイクは走ってナンボ」と抜かしていますので、ビギナーにとっては仮に近場であってもそこそこの冒険みたいなものです(笑)。
おっと、「走り」と偉そうに云うレベルじゃなくて、まだ単なる目的地までの移動手段ですね(笑)。

30年以上も昔のことですが、僕が今の仕事に就いた頃、“中免”だけは学生時代から持っていた先輩記者が銀色のCB250RS-Zを購入して「小池、ツーリング連れていってよ」とせがむので、「先輩、そうはいっても休みも互いにとれませんし、近々、仕事が早く終わった日があったら先輩のアパートに寄るので、そのまま奥多摩湖まで慣らしにでも行ってみますか?」と話しをまとめました。
とはいえ、仕事が終わったのは夜遅くだった気がしますし、杉並区内の先輩記者のアパートを出発したのは午前零時前後の時間帯だった気がします。
季節的には初秋だった記憶があるのも、奥多摩の橋の袂では夜中ということで冷気を感じました。湖面が近い影響か靄もかかっていました。
固形燃料でお湯を沸かし、インスタントコーヒーを淹れてあげたところ、寒さも手伝ってか「小池、美味しいよ、本当に美味しいよ」とカップを手に涙を流さんばかりに喜んでいた姿を今でも昨日のように思いだします。その先輩も最近になって原付スクーターで走り出した風な電話がありました。
バイクで出かけると、それがチープなインスタント物であっても格別の味わいであることを僕達バイク乗りは知っていますよね(笑)。

そういえば、奥多摩の入口に建つ青梅市民会館が閉館になっていました。
学生時代、バイクで奥多摩に初めて出かけた時から既にそこにありましたし、それもそのはず50年前の建物ですし、そのちょっとくたびれた感のある昭和な雰囲気の公共建築物特有の佇まいでしたが、個人的には青梅街道のランドマークのひとつとしてそこを通過する度に「おっと、奥多摩にやってきたぞ」と思わせる見覚えのある建物でした。

何時か路上で!無事是名馬也。

▼奥多摩町
http://www.town.okutama.tokyo.jp/sangyo/kanko/index.html
▼奥多摩観光協会
http://www.okutama.gr.jp/spot.php
▼奥多摩
http://www.mapfan.com/kankou/drive/course012.html

▼ありがとう、青梅市民会館 FB
https://www.facebook.com/ありがとう青梅市民会館-1823032101247177/