たまりば

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2017年04月16日

RIDING-HIGHの乱(その1)



“まつろわぬバイク乗り”たち『RIDING-HIGH』の叛乱の伝説(Vol.01)

その昔、バイク乗りたちの戦(いくさ)がありました……。

■あの狼煙(のろし)を見たかい?

旧くからのバイク乗りの皆さんならば、きっと覚えていらっしゃる方もおられるかとは思います。それは“その昔”といっても今から約30年前の出来事になります。
オートバイの高速道路料金が、まだ「29人乗りのマイクロバスと同額料金」だった時代に、あまりの不公平さに憤り、是正を求めて軽自動車枠の新設とそこへのバイク料金の落とし込みを法廷闘争で勝ち取った集団がありました。
現在の料金体系は(はなはだまだまだ不満はありますが)この闘いの結実だと思います。

それは『バイク差別と闘うライディング・ハイ連絡会(通称:ライディング・ハイ)』という全国各地のバイク乗りによる果敢な挑戦でした。

狼煙が上がったのは1983年11月21日付の読売新聞の紙面でした。
そこには「二輪車決起」「高速道路料金高すぎるョ」「一万人集め『普通車の半分でいいはず』と」「払い過ぎ返還訴訟へ」という刺激的な見出しが躍っていました。
これは司法記者クラブ内でも読売新聞記者のスッパ抜きのスクープでした。

無論、この記事に至るまでには水面下で闘いに向けた準備は着々と進んでいました。
バイクの高速料金を下げる為にはその方法論を巡ってバイク乗りでもある弁護団との協議も進めてきました。
これまでも同問題では4メーカーや2輪業界団体等々が様々な陳情請願や署名活動を行っていたとは思いますが、お役所や日本道路公団(当時)がそう易々と料金値下げに応じてくれる筈もありませんでした。時代劇でよくみる「お代官様お願いしますだ」の光景だったのでしょうね。

そこで思いついたのが、民主主義のルールに乗っ取って、この問題を法廷という公の場に持ち込み「可視化させる」ことで、バイクに無関係な人々にも訴えかけて世論喚起を図ることでした。願わくば、世論の支持をバックに道路行政そのものにまで切り込んでいければと考えていました。
そもそも社会資本である道路は本来無料であって然るべきだろうくらいの大前提です。
その為に提起したのが「払い過ぎ高速料金1万人返還訴訟」で、バイクで高速道路を走った経験のある方なら誰でも「原告」として参加できる方法でした。
合言葉は「高すぎるぜバイクの高速料金!」と単純明快なものだった記憶があります。

集団訴訟(マンモス訴訟)を選択した段階で脳裏を掠めたのは公害訴訟や薬害訴訟、航空機の騒音訴訟、投資被害訴訟、新幹線の乗車料金の在来線との差額を巡る集団訴訟のことでした。
当時200万人とも300万人とも言われたバイク人口が仮にこの原告団の列に加わってくれれば、それだけでも日本の裁判史に残る大事件になる筈でした。

しかし最初から「徒手空拳」「蟷螂の斧」の闘いを強いられるのは百も承知のことでした。
初期メンバーは「3人(が)腹を括ればなんとかなる」と集まるとよく笑いあっていたものです。
闘いは大らかで楽しくなければ勝てません。
僕らは退屈しているヒマなんてなかったのです。

最近にわかに某バイク雑誌誌上でバイクの高速料金が半額になるという話題がアナウンスされています。国会議員や業界団体を巻き込んだ署名活動が近々大々的にスタートする模様です。料金の値下げ自体は歓迎すべきことですよね。
しかし約30年にも現在に至る取り組みが成されていたことも書き留めておきたいと思いました。
当時の資料は散逸してしまって手元に残っているものは僅かなものではありますが、時間軸に捉われず思いつくままに微かな記憶の範囲を辿りながらゆるゆるとお伝えしていきたいと思っています。【文責】小池延幸

  


  • Posted by 放課後倶楽部♪DX  at 09:03Comments(0)バイク


    5月~6月の東京・福島・山形の3都市公演『まつろわぬ民2017』の前段階が、このトーク&ライヴイベントって位置づけなんですが、とにかくパネラーの顔ぶれが凄いというか豪華の一点(^^♪
    わかる方にはわかりますよね?



    ▼トーク&ライブ『まつろわぬ民とは誰か?』
    https://furendance.wixsite.com/matsurowanu2017/blank-3

    【出演】白崎映美(歌手) / 木村友祐(作家) / ますむらひろし(漫画家) / 赤坂憲雄(民俗学、日本文化論) / 平井玄(批評家) / 林周一(風煉ダンス主宰、劇作家・演出家・俳優) / 企画・進行:斎藤 朋(マルメロ)
    【ミニライブ】白崎映美(Vo) / 西村直樹(Ba) / 岡田修(津軽三味線)
    【朗読】木村友祐(朗読)+岡田修
    会場:[東中野]ポレポレ坐 http://za.polepoletimes.jp/
    東京都中野区東中野4丁目4-1 1F  03-3227-1445

    日時: 4月16日(日) 開場15:30 / 開演16:00
    料金:[一般]前売2,500円 / 当日2,800円
    [学生]前売2,000円 / 当日2,200円
    問・予約:
    ◆マルメロ TEL.03-5627-7583 marmeloyama@gmail.com
    ◆風煉ダンス TEL.080-3939-2020 furendance@gmail.com
    ※メール予約のお客様は・・・件名: 4/16チケット予約、本文: 4/16-ポレポレ坐、お名前、枚数、電話番号をお書き添え下さい。
    ~そもそも“まつろわぬ民”とは歴史的に、また2017年現在の日本、世界でどういう存在であるのか?
    ▶本・歌・劇の当事者たちに東北学の泰斗、批評家が加わり、“まつろわぬ民”をめぐってその存在の深層、可能性について思い思いに語り合う。
    ▶朗読×津軽三味線、「東6」トリオのミニライブもお楽しみに。



    ▼風煉ダンス公演「まつろわぬ民2017」 予告編
    https://www.youtube.com/watch?v=ib6Njrg-UvQ&feature=youtu.be



    ▼風煉ダンス公演「まつろわぬ民2017」 特設ホームページ
    https://furendance.wixsite.com/matsurowanu2017

    ▼朝日新聞2017年4月10日
    (まづろわぬ人をたどって:1)きゃしゃで色白、「鬼」になる
    http://www.asahi.com/articles/DA3S12885047.html
    ▼朝日新聞2017年4月11日
    (まづろわぬ人をたどって:2)庄内弁で叫んでこそロックだ
    http://www.asahi.com/articles/DA3S12886824.html
    ▼朝日新聞 2017年4月12日
    (まづろわぬ人をたどって:3)震災後の能舞台、体が動かない
    http://www.asahi.com/articles/DA3S12888624.html
    ▼朝日新聞 2017年4月13日
    (まづろわぬ人をたどって:4)「無言の民」、今こそ叫ぶ
    http://www.asahi.com/articles/DA3S12890323.html
    ▼朝日新聞 2017年4月14日
    (まづろわぬ人をたどって:5)よみがえった酒田大火の記憶
    http://www.asahi.com/articles/DA3S12892131.html

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    ▼演劇集団 風煉ダンス公演『まつろわぬ民2017』(座・高円寺 春の劇場06)

    棄てられたことば
    置き去りのきのう
    見えないきみの声が聞こえる
    忘れていた歌をまたうたおう
    まつろわぬものの歌を

    時を超えたまつろわぬ民たちの“血煙を上げる詩情”
    「まつろわぬ民」とは、“あらがい迎合しない者”。
    舞台は、一軒のゴミ屋敷。行政によるゴミの撤去が行われようとした
    その時、屋敷に住む老婆に誘われゴミたちの百鬼夜行が始まった。
    果たして老婆の正体とは!?
    この作品は主演の歌姫・白崎映美(「上々颱風」「白崎映美&東北6県ろ~るショー!!」の歌「まづろわぬ民」から想を得て2014年に初演。忘れ去られる者、虐げられながらも闘い続けている者に思いを寄せ、古代と現代を大胆に往還する大スペクタクル。
    圧倒的な美術・空間表現、血肉沸き踊る生演奏と踊りに魂を震わせる白崎映美の歌。
    伊藤ヨタロウらの新キャスト、新演出で、初演をしのぐ音楽劇として
    不屈の民のマグマを爆発させる。

    【期間】2017年5月26日(金)~6月4日(日)
    【会場】座・高円寺1(杉並区高円寺北2-1-2)  http://stage.corich.jp/theater/1602
    【CAST】
    白崎映美 伊藤ヨタロウ
    反町鬼郎 リアルマッスル泉 春田奨 吉田佳世 吉成淳一 河内哲二郎 飯塚勝之
    御所園幸枝 笹木潤子 堀井政宏 山内一生 柿澤あゆみ 園田シンジ 塚田次実
    横山展子 内田晴子 外波山流太 サモ★ハン  林周一

    【公演スケジュール】
    5月26日(金)19:00
    5月27日(土)14:00★/19:00
    5月28日(日)14:00
    5月29日(月)19:00
    5月30日 休演
    5月31日(水)19:00
    6月 1日(木)14:00★/19:00
    6月 2日(金)19:00
    6月 3日(土)14:00★/19:00
    6月 4日(日)14:00
    開場は各30分前。受付開始は60分前から。
    ★=託児サービスあり

    【上演時間】 約2時間0分(休憩なし)を予定

    【チケット料金】
    (前売・当日共) 一般 4,000円 学生 3,000円 高校生以下 2,000円
    初日割引(5/26) 一般 3,500円 学生 2,500円 高校生以下 1,500円 
    *全席自由・入場は当日受付順
    チケット予約
    ◯風煉ダンス 080-3939-2020 furendance@gmail.com」
    ◯CoRich舞台芸術 http://ticket.corich.jp/apply/81376/
    ○マルメロ marmeloyama@gmail.com
    ○座・高円寺チケットボックス(月曜定休) 
    TEL 03-3223-7300(10:00~18:00)
    窓口(10:00~19:00) http://za-koenji.jp/(無休24H受付)  
    ※学割チケットはチケットボックスでは取り扱いません。
    *座・高円寺の劇場回数券「なみちけ」もご利用いただけます。
    一般用12,000円/1シート(3,000円×4枚)、
    学生及びシルバー用10,000円/1シート(2,500円×4枚)。
    詳細は座・高円寺チケットボックスまで。
    ◎以下のサービスは劇場で承ります。
    お申込・お問い合せは座・高円寺チケットボックスTEL03-3223-7300まで。
    *車椅子スペースをご利用の方は、前日までにお申し込みください(定員あり)。
    *障がい者手帳をお持ちの方は、座・高円寺チケットボックスでのご予約に限り1割引きになります。
    *託児サービス(定員あり・対象年齢1歳~未就学児・1週間前までに要予約)料金:1,000円
    【お問い合わせ】
    風煉(ふうれん)ダンス 080-3939-2020 furendance@gmail.com

    【STAFF】
    作・演出:林周一 音楽・演奏:辰巳小五郎 関根真理 ファン・テイル
    美術:笠原真志、深川信也、後藤淳一、南波瑞樹 衣装:仲村祐妃子
    振付:坂東冨起子 殺陣:都築星耶 照明:辻井太郎 照明操作:前田さやか 

    音響:島猛 舞台監督:後藤恭徳
    演出部:笹木潤子、外波山流太 
    美術協力:大友香織、畑中さおり、長谷川愛美、田村元、渡辺綾乃
    題字:青山健一 チラシデザイン:片山中藏 写真:村田善一(表面)
    山下恭弘(舞台) 添田康平(顔写真) 
    映像記録:矢ヶ部哲 HP・広報:御所園翔太
    制作:斎藤朋(マルメロ)櫻井拓見 豊田結
    主催:風煉ダンス 
    提携:NPO法人劇場創造ネットワーク / 座・高円寺 後援:杉並区 
    協力:たちかわ創造舎、カーニバルカンパニー、椿組、発見の会、niwa-coya、
    白崎映美&東北6県ろ~るショー!!、未来会議、小峰公子、マルメロ、ほか

    ◎ トーク&ライブ『まつろわぬ民とは誰か?』 
    4/16(日)15:30open/16:00start
     @東中野・ポレポレ坐  ミニライブ有り http://za.polepoletimes.jp/
    東京都中野区東中野4丁目4-1 1F  03-3227-1445
    出演:白崎映美、木村友祐(作家)、ますむらひろし(漫画家)、
    赤坂憲雄(民俗学、日本文化論)、平井玄(批評家)、林周一
    ミニライブ:白崎映美(Vo.) / 西村直樹(Ba.) / 岡田修(三味線)
    料金 一般2,500円(当日:2,800円) 学生 2,000円(当日:2,200円)
    ■予約:マルメロ tel 03-5627-7583  fax 03-5627-7584
            e-mail: marmeloyama@gmail.com

    ◎『まつろわぬ民』いわきアリオス公演 
    6/10(土)18:00開演・11(日)13:00開演
    問・予約 0246-22-5800(アリオスチケットセンター)

    ▼演劇集団『風煉ダンス』
    http://www.furen-dance.info/dorro2015/doro_top.html
    ▼Facebook 風煉ダンス
    https://www.facebook.com/furendance

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    ▼フォトエッセイ「鬼うたひ」白崎映美著:亜紀書房
    http://www.akishobo.com/book/detail.html?id=756


    ▼「イサの氾濫」木村友祐著:未來社
    http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624601195
    ▼CD 白崎映美&とうほぐまづりオールスターズ『まづろわぬ民』
    http://www.galabox.jp/product/379
    ▼白崎映美インフォメーション
    https://emishirasaki.themedia.jp/
    ▼白崎映美&東北6県ろーるショー FB
    https://www.facebook.com/tohogu6/
    ▼FB白崎映美 https://www.facebook.com/emishirasaki?fref=ts
    ▼FB白崎映美FC https://www.facebook.com/emisirasaki/?fref=ts

    ▼白崎映美&とうほぐまづりオールスターズ 1st Album『まづろわぬ民』リリース!!
    https://www.youtube.com/watch?v=2aOmIdOm-74
    ▼白崎映美&東北6県ろ~るショー!! 「まづろわぬ民 」歌詞付
    https://www.youtube.com/watch?v=9Tu3R3uwPRE
    ▼白崎 映美&東北6県ろ~るショー!!「実録!!夏のぜんぶのせフェスティバル -渋谷 2015-」 -Trailer-
    https://www.youtube.com/watch?v=WdQtngUI7ws

    ▼出典:朝日新聞 書評 2016年09月18日
    著者に会いたい 鬼うたひ 白崎映美さん
    http://book.asahi.com/reviews/column/2016091800016.html

    ■東北さ、いい事どんと来い!

     活動を休止中の老舗バンド「上々颱風(シャンシャンタイフーン)」の歌姫の一人、白崎映美さんが5年前の東日本大震災と原発事故を機に、東北愛を全開させている。
     自身、山形県酒田市出身。バンド「白崎映美&東北6県ろ~るショー!!」をつくって作詞作曲も手がけ「オラ方(がた)の先祖は まづろわぬ民だ」と奇抜な衣装をまとい、歌う。芝居にも参加。災害を「無(ね)かった事(ごど)にはさせねえぞ!」とすごむ主演女優も張った。
     かつて遠ざけた東北。なぜのめり込んだのか。きっかけは、震災の年の暮れに本紙文芸時評欄に載った、青森出身の木村友祐氏の小説「イサの氾濫(はんらん)」の評だった。図書館で作品を読み、コピーして友人に「見せまくった」という。
     「共感しました。そこには東北コンプレックスの根拠やまつろわぬ民のいわれなど、震災後の私のもやもやした思いが全部書かれていて」。行動原理ができたのか、宣戦布告するごとく、白崎さんは一から一人で動き始めた。
     初の自伝的エッセー集となる本書には、そんな近年の行動や、大火で焼け出されながらもロックスターを夢見た少女時代、人種も年齢も性別も超えて笑顔を届けた上々時代の活動など、全編「濁点の多い」庄内弁で書かれている。それは「東北に初めて誇りがもてた」証しなのか。読みだせば、飾らない人間くささにひかれ、「オラ、ちょっと訛(なま)ってますが、わりにいいヤヅです」に納得してしまう。
     「私は死ぬまで大きな声で叫ぶのだ。これからも痛い思いを知っている人たち、声の小さい人たちと連帯していきたい」。10月16日に東京・練馬で公演する。記憶を風化させぬよう、「東北さ、いい事(ごど)どんと来い!」と叫ぶつもりだ。
        ◇
    亜紀書房・2700円

    ▼出典:東京新聞【土曜訪問】 2016年12月3日付
    いいこと来い、歌うど 東北のじっちゃん、ばっちゃんのために 白崎映美さん(歌手)
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/culture/doyou/CK2016120302000234.html

     「有名になりたいなあ、と初めて思います。東北のじっちゃん、ばっちゃんが『誰か知らないけど、有名な人が来てくれた』と、行けば喜んでくれるような。実際、私なんかが東北に歌いに行くより、AKBが行った方が喜ばれますもん」
     ロックバンド「上々颱風」(シャンシャンタイフーン)のメンバーといえば、思い当たる人もいるだろう。その歌姫の一人だった白崎映美(しらさきえみ)さんはいま、別のバンドで歌っている。その名は「東北6県ろ~るショー!!」。東日本大震災の二年後、北の同胞を捨て置けない一心で、東北ゆかりのミュージシャンら十数人に声をかけて結成した。「夢は福島の仮設住宅の前から中継で紅白歌合戦に出ることです」
     山形県酒田市で高校卒業まで育った。酒田大火(一九七六年十月)は中学三年の時。強風にあおられて二二・五ヘクタールもの市街地を焼き、三千人を超える被災者が出た。家族は無事だったが、白崎さんも大きな食堂だった家を失った。「酒田大火を私は一生忘れないけど、世の中はあっという間に忘れてしまった。残ったのは当事者の苦しみだけ」。大火後、音楽をひたすら聴いた。「爆音でかけたローリング・ストーンズやレッド・ツェッペリン、パンタ&ハルなんかのレコードに合わせて大声で歌った。そうしているときだけ、つらいことを一瞬忘れられた」
     大火に照らせば、震災に泣く東北のじっちゃん、ばっちゃんが想像できた。全然そうじゃないはずなのに「大丈夫です」と答える東北人の姿に震災直後、東京のテレビの前で泣いた。
     「きょうも一人で仮設住宅でごはんを食べている人がいる。多くの人が関係を引き裂かれ、ずっと先まで苦しみを抱えなくてはならない。私に何ができるのか。直接その人たちの幸せに結び付くかは分からないけれど、いいこといっぱい来い、と祈ることはできる」
     二〇一四年に第一弾CD『まづろわぬ民』を発表。白崎さんは濁音の多い地の言葉全開で東北応援の自作曲を歌った。<夢でら希望を叫んだば/誰ががバーカて指さした/あれなばバガだど笑わっだ/笑わっだたってオラ言うぞ/東北父ちゃん(母ちゃん)さ いい事来ーい>
     CDは青森県八戸市出身の作家、木村友祐(ゆうすけ)さんが自作『イサの氾濫』の一節を朗読して幕を閉じる。蝦夷(えみし)とさげすまれつつ都に抵抗した強い民の末裔(まつえい)は誰だ。小説は問う。<暗くて寒くて貧しいど思われながら、自分だぢもそう思いながら、黙々(もぐもぐ)と暮らしてきたべ><その重い口(くぢ)を開いでもいいんでねぇが。叫(さが)んでもいいんでねぇが>と。
     白崎さんは震災の年の十二月に発表されたこの小説を新聞で知り、東北人の決起する姿に揺さぶられた。今年三月の単行本化(未来社)では、帯に<血が騒ぎ、肉躍り、細胞興奮逆流し、泣ぎながらオラは立ぢ上がって叫んでいだ。んでオラは今のバンドつぐったんだぜ>と一文を寄せた。
     七月には白崎さんの初のフォトエッセー集『鬼うたひ』(亜紀書房)が出た。大火も音楽も、これまでの歩みを語り、その中で木村さんとも対談した。
     ファンからすれば、惜しまれるのは活動三十年の「上々颱風」の休止だ。ロックも歌謡曲も民謡も何でもござれ、アジアの旋律を伸びやかに奏でた祝祭感が懐かしい。「紅龍(こうりゅう)(リーダー)が『誰も仲間外れにならない音楽をやろう』と作ったのが上々。私が隠したいと思っていた方言を『その方言こそかっこいいんじゃん、映美ちゃん』と言ってくれたのは上々のメンバーだった」。ルーツを意識し自分とは何かを問いつつ歌ったバンドを離れ、「五十歳にもなって初めて社会に出たような感じ。それまでは守られて、ただ歌っていればよかった」と心細いことを言う。
     新バンドでは鬼に化身し、血のような、なまはげ風の衣装で演奏を引っ張る。「もじもじで、内向的で、声の上げにくい人たち、声の小さい人たち、声の届きにくい人たちと一緒に、小さいながらもやっていきたい。日常に戻ると私もその一人という気持ちです」
     この鬼ときたら、えらく人懐こく、飲み助で、時に寂しそう。まなざしは慈母のようだ。 (三田村泰和)
      


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