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▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.09)


▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.09)



■警察がピリピリするくらいの集会もやってたよね♪(笑)

掲載雑誌名も忘れちゃったけど、これは1984年8月24日から25日にかけて長野県茅野市蓼科高原温泉郷もんがく平貸別荘地で開催された『Bike Jamboree’84』の模様を報じた活字系週刊誌のグラビア記事です。レイアウトが写真週刊誌風の影響ですね。
この時は「テレビ朝日」の夕方のニュース番組取材も入っていて事前に現在の六本木ヒルズのけやき坂上の「旧テレ朝通り」にあった同局に打ち合わせで赴いた気がします。

大学のバイクとロックの融合体サークル「シェルター・ピープル」の部室からはPA類をレース用のトランポに積み込み、集会冒頭のSEは映画『ローズ』(1979年)のサウンドトラックの1曲目のご機嫌なナンバー『フーズ・サイド・アー・ユー・オン』でした。ベッド・ミドラー主演のジャニス・ジョプリンをモデルにした作品ですがサウンドトラックが名盤だよね。オープニングに相応しいセンスの良い選曲は明学大の軽音出身のE・Kくんかな。血が滾(たぎ)るナンバーです。

▼The Rose - Whose side are you on
https://www.youtube.com/watch?v=xlWoNx8oRlc

活字週刊誌の文体って何かと皮肉っぽかったり、他人を揶揄するような切り口の内容ですが、あまり気にはしなかったな。そんなことよりもバイク専門誌ではない媒体も利用して広く世の中にこの運動の存在を知らしめることの方にウエイトを置いていた気がします。多少の不満はあってもマスメディアから無視や黙殺の方が悲しいというか辛いからね(笑)。

記事中、『学生二輪倶楽部連盟』(学二連)が登場しますが、当時彼等「中部学二連」や「九州学二連」地区ブロックメンバーには大変お世話になりました。
彼らは全国の各大学の二輪サークルの巨大な連合組織で、建設省や日本道路公団に高速道路料金問題で「公開質問状」を提出したり、署名運動等も積極的に展開していました。
「学生は時代の脇腹」なんて言われるくらいですから、いつの世も若者たちの瑞々しい感性は敏感なものなのです。

それにしても1984年当時の僕達はRH(ライディング・ハイ)を立ち上げたり、訴訟の準備をしたり、高速道路を集団走行したり、こうやって夏集会したりと随分と忙しく熱い季節を経験していました。退屈なんて言葉はなかったよな(笑)。そして、それが翌年の集団訴訟の実施や、日本初のバイクデモの実現に向かっていったわけなんだよね。

【文責】小池延幸(57)/ZRX1200 DAEG
明治学院大MC『井戸端会議』初代総長

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【出典】『週刊大衆』?(記憶曖昧月号不明)グラビア頁 「EXCITING CAMERA」
1984年 夏頃

【タイトル】
バイク・ライダーが“差別”撤廃に起つ!「高速料金の差額を返せ!」

【本文】
「集会当日の朝、地元の諏訪署の交通課長が“責任者と面談したい”と訪ねてきたり、集会の2、3日前に幹部会員の自宅に“集会の主旨は?参加人員は?”などの問い合わせ電話がやはり諏訪署からはいったりで……。そりゃ、もう神経質になってましたね」(『バイク・ジャンボリー』実行委員会)
先月25日午後、長野県茅野市・蓼科高原に、突如、場違いな(?)一団が出現。全員がヘルメット姿のバイク・ライダー。ナンバーも九州あり、大阪あり、愛知あり、神奈川あり、東京ありでまちまち。年齢は圧倒的に多い20代にまじって30代、40代もチラホラ。女性の姿もみえる。その数ね120人。
 いったい、ナニが起こった!?
 実はこれ、学生、会社員、弁護士、雑誌編集者ら“まじめライダー”で結成された『バイク差別と闘うライディング・ハイ連絡会』が、全国の仲間に呼びかけた第1回の“決起集会”。今回の集会は“徴収し過ぎ”の高速道路料金の返還を建設省、道路公団を相手どり集団訴訟で求めることをメインテーマに開かれた。
「高速料金はバイクも普通車も同じなのに、最高速度ではバイクが80キロ、普通車は100キロ、20キロの差がある。おまけにバイクは2人乗り禁止などなにかと規制が多い……。日本にはバイク人口が150万人いるけど、誰もがおかしいと思ってるハズ」(『バイク差別と闘うライディング・ハイ連絡会』事務局)
集会は、≪日本のバイク環境はどうなっているんだ!!≫≪(高速道路料金返還)一万人訴訟≫などの講演、ディスカッションで深夜まで……。そのあとは酒をくみかわしながらの交流会、熱気ムンムンの一夜がすぎた……。
 が、参加者からこんな声も。
「『学生二輪倶楽部連盟』のほうから呼びかけられて、北九州の八幡地区からきました。300人集まると聞いていたんだけど、思ったより参加者が少なかったなぁ。ボクらに動員がかからなかったら、どうなったんだろう?」(■■■■クン=学生・21)

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≪参考資料≫『百騎百景』投稿先過去リンクまとめ!お時間のある時にでもよろしくね♪

▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.08)→「オートバイ」誌インタビュー
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/747943218699959
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.07)→東名高速集団走行会?
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/746966162130998
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.06)→日本初のバイクデモ/毎日新聞コラム
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/746057775555170
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.05)→日本初のバイクデモ/東京タイムズ
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/745692858924995
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.04)→第1波提訴報道/毎日新聞
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/745295015631446
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.03)→第1波提訴報道/朝日新聞
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/744797609014520
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.02)→結成報告/読売新聞
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/744155279078753
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.01)
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/743835959110685





  • ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.08)


    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.08)

    昔、昔、「バイク乗りの乱」がありまして・・・。



    ■老舗『オートバイ』誌でも紹介してもらいました♪その節はお世話になりました(笑)。

    僕は直情行動型の性格なので、皆が一瞬躊躇しちゃっている時でも「ちょっと待ったぁ~!」と後先考えずに1歩踏み出してしまう悪い癖が昔からあります(笑)。
    でも誰もが言い出さない(言い出せない?)時に、最初に飛び込んじゃうのって勇気というよりはおバカで無謀で損な性格だとは思うものの、これも性(さが)って奴で、この癖は今も基本的に抜けません(爆笑)。
    人は打算だけで動くものでもないのです。

    そういった意味ではライディング・ハイは義憤かな。原告団は義憤に駆られた義賊?
    当時、この問題では「料金が高いと思うなら俺は料金所を突破しているから金なんて払わないよ」みたいなことを豪語する方も巷には多々いましたが、それは武勇伝や個人決起の範囲であっても、「非合法」的手段では世間の幅広い支持も得られないし、自己満足のマスターベーションのつもりならそれはそれでいいけれど、それで料金体系を変えられるほど甘くはないと僕は考えていました。
    “ライディング・ハイ”誕生以前の様々なバイク乗りたちの抵抗や限界や敗北の歴史を鑑みても、今回だけは「絶対に勝たないといけない。その為にはどうすべきか」と常に考えて行動していました。
    そういった先人たちの闘いを踏まえて、僕らなりの総括作業を経たつもりでの集団訴訟方式による行動提起が「高速料金1万人返還訴訟」だったのです。

    この「オートバイ」誌のインタビュー記事ですが、僕の単純で楽観的な性格の一点突破全面展開っぽさが現われていて30数年ぶりに読んで笑えました。

    この取材時にアメフトのプロテクターを缶スプレーで黒く塗ったものを革ジャンの上から被っていますが、これは映画『マッドマックス2』(1981年)や松竹映画の『V.マドンナ大戦争』(1985年)の影響でしょうね(笑)。
    当時、僕らの中でギャグとして流行っていま
    この恰好の僕を見て悪友たちは「お前はチャバネゴギブリかよっ!」と腹を抱えていました(笑)。
    オートバイ誌の取材で訪問した際も、社屋の自動ドアが左右に開ききる前に踏み込んだせいでプロテクターの両肩がドアに引っかかって立ち往生しました。その姿を見ていた受付嬢が「ブッ」と吹き出していたっけな。どこまでも何をしてもギャグそのものな男です。

    【文責】小池延幸(57)/ZRX1200 DAEG
    明治学院大MC『井戸端会議』初代総長

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    【出典】月刊『オートバイ』1985年の年末頃?(月号不明)

    【コーナー名】俺にも言わせろ!
    【タイトル】ボヤいてたって料金は安くならないョ 自分達でアッピールしなくちゃ!!/誰が考えたってオートバイの高速料金はたかすぎるぜ!!

    【本文】
    ――高速道路のオートバイの通行料が不当に高いと思っている読者も多いと思いますし、日本初のオートバイをつかったライダーのデモを主催するなど、胸がすくような気分です。読者にメッセージを!!

    今年の3月30日に原告側691名で裁判所に提訴し、9月20日、初公判が開かれたんだけど第2波の提訴267名を追加し958名で裁判にのぞみました。
     現在も原告側参加が増えていて次回11月15日には1000名を越えるかも知れないですね。
     この裁判は歴史的だと思うし“オートバイはクルマと同じ料金だったのか!!”なんて気づいてくれた人もいると思う。
     しかもこれだけの数の原告は公害訴訟を除けば、最大規模の裁判でもあるんです。
    全国に150万人のライダー人口(50を除く)があるとして、その9割は僕らを支持していると思うんです。
    『ライディング・ハイ』を結成してまる2年になるけど、半年前にようやく提訴にふみきれたし、具体的に裁判に原告として参加してくれる人も増えている。
    “高速料金は高い!!”なんてボヤいているだけじゃだめなんです。自分たちで変えていく姿勢を示さないとね!自分達で変えていけるという自信を持って欲しいんです。
    ライディング・ハイら対して他の様々な差別規制(二輪車の深夜乗り入れ規制・自動車専用道路2人乗り禁止etc)に対しても行動を起こしてくれって要望もあるけれど、今はその余裕はありません。
    もし二輪車差別で君達が困っていることがあったら、まず自分でその仲間をふやしていくことです。
    反対運動じゃなくてライダーが何かつくっていく、自分達自身でアッピールしていくのって大切なことだと思うんです。
     僕らは今、“二輪の高速料金は高い!! 安くしろ!!”この1点で戦っています。
    他にめんどうくさい要求を入れてないから戦いやすいし、まとまりやすいんですよ。
    潜在的にすべてのライダーの支持を得られると思いますから無限に参加者は増えていくと思います。
    裁判は提訴から初公判まで半年という異例の時間がかかりましたが、裁判所もそれだけ慎重になっているんでしょう。
    簡易裁判所に提訴したのが、地方裁判所で争われることになったことからもわかりますよね。
    11月15日(金)午後3時30分より東京地裁で第2回の公判が開かれますが、これに第3波の原告追加をおこないます。
    みなさんも至急、参加をお願いします。
    直接、話が聞きたいと思う人は事務局まで電話下さい。
    関西・中部にも名古屋、大阪に事務局があります。
    手紙でもOKですし、ツーリング・クラブの会合の時に話にきてくれといわれて行ったこともあります。
    役人相手にでかいケンカを売っているワケですからオモシロイですよ。
    相手に対して不足はないし、今回の裁判はライダーが主導権をにぎっているわけですから。くり返すようですが、『二輪車の高速料金は高い!!』これ1点で闘いぬきます。
    僕達は常識の勝利をめざすんです。みんなもどーか主旨にご理解してもらってからでケッコーです。参加をまってます。
    最後になってしまったけど、3ナイ運動で苦しんでいる高校生には申し訳ありませんが、僕は無責任に“立ちあがれ!!”なんて言えない、そんな状況だと思ってます。
    3年間で卒業してしまうために運動に継続力をもたせるのがとても難しいよね。
    だからOBをも含めた形で進めていく努力をしなくちゃならないんだ。応援はするゾ!!

    【イラストキャプション】
    黙ってボヤいているだけじゃあ何の解決にもなりません!一緒にやろお―ぜ!!(小池)

    【プロフィール】
    小池延幸 
    ●バイク差別と闘うライディング・ハイ連絡会事務局長
    ●生年月日 昭和34年4月28日(26歳)
    ●出身地 静岡県浜松市
    ●趣味 ロック
     昭和34年、静岡県浜松市に生まれる。県立浜松南高校を卒業。一浪ののち明治学院大学法学部の夜間部に合格。
     職場と大学とアパートの交通の足にオートバイを利用していたが、ある日突然、大学側からオートバイの通学禁止の通告がなされる。
     交通費節約にひとやくかっていたオートバイ乗り入れが禁止されては!…と大学の一方的な処置に反発した小池君は、たった一人でビラくばりを始め、仲間を一人、二人と増やしていった。
     ついには、交渉の場に出ることをかたくなに拒否していた大学側を、テーブルにつかせ都内の大学で、オートバイの乗り入れ禁止があいついで決定された中で唯一、オートバイの駐車スペースを確保させ、禁止通告を撤回させたのである。
     そして、現在、高すぎる二輪車の高速道路料金問題に取り組むライディング・ハイを設立。日本初のバイクのデモを行うなど、裁判のゆくえが注目されているのである。

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    ≪過去の『百騎百景』投稿先リンク!≫

    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.07)→東名高速集団走行会?
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    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.06)→日本初のバイクデモ/毎日新聞コラム
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/746057775555170

    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.05)→日本初のバイクデモ/東京タイムズ
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  • ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.07)


    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.07)

    昔々、バイク乗りたちの「乱」がありまして……。



    ■高速道路上で集団パフォーマンス!

    1984年5月13日に実施した「富士・山中湖ミーティング」を扱った雑誌名を失念してしまったけれどその月刊誌のコピーです。
    当時は写真週刊誌の全盛前夜の頃で、後に「3FET」時代と呼ばれる『フォーカス』(新潮社)、『フライデー』(講談社)、『フラッシュ』(光文社)、『エンマ』(文藝春秋)、『タッチ』(小学館)と大手出版社5社が競合する戦国時代に突入するのですが、5誌以外にもそのフォーマットを真似たゴシップ系っぽい写真雑誌が複数存在した記憶があります。
    この記事コピーの大元も、そんな亜流のひとつだったと思われます。テキストを書き起こしていて道理で文章が稚拙だと自戒を込めて思った次第です(笑)。

    イベントの目的は「原告団募集」活動の一環でした。裁判闘争を維持する為には必要不可欠の活動でもあります。目的地にしたのは某明治学院大学の山中湖「湖北寮」でした。
    僕的にはサークル連合会の新歓合宿等で使い慣れた勝手知ったる施設です(笑)。
    そこにバイクが100台も押し寄せたんですから、さぞかし寮のおばちゃんは腰を抜かしたことと思います。

    制限速度を守って走るわけですが、そもそも交通の流れにもシンクロできない上限80キロまでの最高速度規制の時代でしたから、渋滞の原因になっちゃったのかなぁ?(笑)
    まだバイクの性能がそれほどでもなかった時代の名残りとしか思えない80キロ速度規制がまかり通っていた時代です。

    写真を見ると先頭はZ400GPですから当時19歳の大学生T君かなぁ?100台を引き連れての堂々の先導役って気持ち良かっただろうなぁ~。
    この台数が押し寄せた御殿場ICの料金所はETCなんて存在しない時代ですから長蛇の列の大パニック状態でした(笑)。

    ても走行は一糸乱れぬ隊列の「集団ツーリング」(マスツーリング)の範疇でしたから整然と走る姿に警察も介入する余地なしでしたね。参加してくれた方もきちんと主催者側の指示を守ってくれました。皆、主旨に賛同した上での参加だから意識や自覚が高かったよね。
    “ライディング・ハイ”(RH)のこういった日常活動の実績と経験の蓄積が、後の「日本初のバイクデモ」実現につながっていったんだと思います。まぁ、この体験走行そのものが立派なデモンストレーションそのものでもあるんですけどね(笑)。

    【文責】小池延幸(57)/ZRX1200 DAEG
    明治学院大MC『井戸端会議』初代総長

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    【出典】(雑誌名記憶なし) 1984年7月号?

    【タイトル】Rage 激怒/“差別”体験ツーリング—高速料金の不公平に抗議、バイク100台の「デモ行進」

    【本文】
     5月12日の午前中に、東名高速道路の海老名・御殿場間を走られた方はさぞかし驚かれたことだろう。でも考えようによってはラッキーですゾ!だってそう思わんか!?今時バイクが100台も連なってツーリングしている風景なんて、めったに見れるもんじゃないから。
     その日は、文字通りの五月晴れのツーリング日和。家族連れや恋人同士のドライヴ客でごったがえした海老名サービスエリアにはバイクが続々と集結してくる。ライダーの着ているワンピーススーツって、明るい風景には似合わないね(色彩の関係かな?)。そんなことどーでもいいんだ。実は、このバイク集団、ウキウキ気分のツーリングチームとはちと違うのだ。「バイク差別と闘うライディング・ハイ」によるバイク・パフォーマンスなのです。
     バイク差別とは、一部陸橋・地下道の通行禁止、250㏄以上のバイクの深夜都心部乗り入れ禁止、高速料金問題など。その中でも最も納得いかないのが高速料金問題。
     なにしろ高速道路上では2人乗りさえ禁止されているにもかかわらず、29人乗りのマイクロバスと同じ普通料金を支払わされるわけだから釈然としない。「もう我慢ならん、おカミといえども許しちゃおけねー!」と、日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団を相手取り、東京簡裁へ提訴したのが去る3月30日。この時の模様は、本誌6月号で報じた通りだが、その後日談を少々。
     第1次提訴は、争点となる金額(78万6000円)が、裁判所の規定では簡易裁判所扱いとなる。だが、内容が重大な問題であるため、地方裁判所扱いとなってしまったのだ。
     話を本題に戻しますと、この100台ツーリングは、高速道路料金の不公平さを実際に体験してもらおうというもの。
     海老名サービスエリアを10時30分に出発した100台のバイクは、本線を約70キロのスピードで走行、750cc以上の大型から175cc程度のスクーターに至るまで行儀良く2列ら並び、先頭から最後尾まで300m以上の集団になった。
     途中、左端で休憩しているツーリング・グループや、追い越していく自動車から声援がおくられるシーンもあった。また、1台のパトカーが脇を走る場面があったが、運転のおまわりさんも声援はおくらぬものの、珍しい光景を見るようにしてバイク群を抜いていった。
     約50キロ走行して御殿場インターで高速を降りた。不当料金の体験走行とはいうものの、100台ものバイクがやって来たのでは、体験される方はたまったものではない。料金所の職員総出で手分けして料金徴収。料金所のオヤジは、
    「ウルセイ、ウルセイ、何なんだこいつらは!」とイライラすることしきり。全員が料金を支払い終わるまでに15分もかかってしまった。料金はもちろん普通車と同じ。
     この後、山中湖畔でオリエンテーションを開き、パフォーマンスを終えた。
     ライダー達の戦いは、まだまだ続く。

    【写真キャプション】今日は、マジメに払います/集団暴走行為は、しましぇん!!

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    ≪過去の『百騎百景』投稿先リンク!≫
    興味があったら飛んでみてね♪(#^^#)

    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.06)→日本初のバイクデモ/毎日新聞コラム
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    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.05)→日本初のバイクデモ/東京タイムズ
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    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.03)→第1波提訴報道/朝日新聞
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    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.02)→結成報告/読売新聞
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/744155279078753
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    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/743835959110685





  • 彼等って本当に頼りになるのだろうか?(苦笑)



    彼等って本当に頼りになるのだろうか?(苦笑)

    俺は政治家(政治屋?)って類の奴らの殆どを、そもそも嫌いというかあまり尊敬も信用も期待もしていなくて、だから連中を「先生」とか呼んでへつらう類の奴らも大嫌いなんです。(それでも、ごく少数ながらも昔はもうちょっと人格的にも立派な叩き上げの政治家っていたと思うんだけど、最近のなんとか政経塾出身と聞くと「お勉強のできる優等生の延長かよ。進学受験の学習塾みたいじゃんかよ」とか思って呆れたり嘆くわけです。最近の閣僚クラスの失言連発を見るにつけても連中って一般市民よりも品性下劣で低俗な印象があるしね。もしかすると元々が権力欲や名誉欲に取りつかれたような変な輩しか政治家を目指さないとかだったりしてね(笑)。さも立派そうなことを人前で臆面もなく喋るのだけはお得意らしいけどね。

    だって、あいつらってそもそも国民の税金で飯を喰わせてもらっている割に高給取りで(貧乏人の俺のヒガミ?)、本来は国民の為に働いているわけなんだからせいぜい我々の為にこき使ってやればいいくらいに思っているのですが、何故か連中は態度も偉そうでさ(笑)。選挙の時だけは当選したくてかペコペコと頭を下げて、ニコニコと気持ち悪い笑顔で握手なんかを求めてくるけどね。個人的には「議員を先生と絶対に呼んではいけない法案」くらい提出したいわ(笑)。

    冗談はさておき、昔のバイク仲間と連絡をとりあっていたら「そういえば民進にもオートバイ議連があった気がするぞ」と教えてもらったのですが、日頃から政治に疎いので「オートバイ議連?なんじゃそれは?」でした(笑)。
    国会議員にももしかしてオートバイ愛好家がいるわけ?若い時に乗ってたとか?自動二輪の免許くらいは取得しているとか???
    どうやら自民や公明にもオートバイ議連や懇話会みたいなグループはあるようで、どちらかといえば次の国政選挙の小選挙での得票を睨んでか最近そっちの与党側のオートバイ議連の方の活動が活発化して目立っているようで民進のソレの動きって俺にはさっぱり見えてこないんだけどね(笑)。

    でも彼等の要求の中には「高速道路料金区分の独立化と料金の適正化」って項目があるんだよね。前述の知り合いに教えてもらったのですが・・・。
    コレって俺らが関心ある例の身近な問題のことだよね。
    この問題は憲法解釈や原発や安保問題みたいな国論を二分するような議論ではない政治色の薄い問題だから、どうか与野党の垣根を越えて超党派のオートバイに理解のあるお偉いさんたちで4輪車と比べて「公正妥当」なものかどうかを常識問題として真剣に検討して欲しいよね。

    2011年の頃には自民と民主の「自由民主党オートバイ議員連盟」と「民主党二輪車ユーザーを支援する議員連盟」(このネーミングは比較的良かったのにね)の2者で合同勉強会をやっていたらしいからね。
    だから料金問題はその流れで是非とも超党派で取り組んでよね。その方が解決も早いと思うし、そもそも30年以上も前にRH(ライディング・ハイ)としては問題提起をした問題なのに、それをずっと放置してきた怠慢さは既成政党にも所轄省庁の官僚側にも(僕らユーザーの側にも)あると思うしね。
    でも、俺らバイク乗りのご機嫌をここにきて慌ててとって、選挙の票田にしようって魂胆だとしたら個人的には御免こうむりたいな(笑)。
    それにしてもオートバイの問題を話し合うのにユーザー抜きって体質は相変わらずだね(笑)。俺らは蚊帳の外みたいっす。
    バイクで走ってもいない連中に一体何がリアルな皮膚感覚としてわかるんだろうかと疑問だしね。ユーザーの声を反映する組織や回路が求められている気がします。
    自民と公明のオートバイ議連だけじゃなくて、民進のオートバイ議連や他の野党のオートバイ好きの連中にも頑張って欲しいものです。
    オートバイ議連って所謂その業界の利権や利益絡みの“族議員”か?(笑)
    体質すらして古っ!

    ≪出典≫response 2016年5月11日付
    民進党オートバイ議員連盟、歴代国交大臣が参加して発足
    https://response.jp/article/2016/05/11/274957.html

    民進党オートバイ議員連盟が10日発足した。今年3月の民主党と維新の党の合流により、旧民主党のオートバイ議連を引き継ぐ形で、新たに民進党として議員連盟が設立された。

    議連参加者は衆参あわせて45人。会長の大畑章宏氏(茨城5区)、会長代理の真淵澄夫氏(奈良1区)、顧問の前原誠司氏(京都2区)と前田武志参議(比例)、羽田雄一郎参議(長野)は民主党政権時代の歴代国土交通大臣経験者。事務局長の磯崎哲司氏は日産自動車労組から自動車総連を経た参議だ。

    「国民と共に進む民進党として新たにオートバイ議連がスタートする。国民と足としてオートバイが普及できるような環境を作らないといけない。昨年8月に関係5省庁に『二輪車産業の健全な発展とその普及促進に関する重点要望』をしたが、その結果がどうなっているのか。確認しながら、課題を乗り越えてオートバイ産業が前進するようにしたい」と、大畠会長があいさつした。

    旧民主党議連の8つの重点要望は以下の通り
    (1)軽自動車税の増税撤回
    (2)ETC購入助成金の支給とETC割引料金の導入
    (3)高速道路料金区分の独立化と料金の適正化
    (4)小型限定普通二輪(125cc)以下の新車への販売インセンティブ支給
    (5)小型限定普通二輪(125cc)免許取得時の負担軽減
    (6)駐車場の整備・拡充
    (7)都道府県間のバス専用通行帯運用基準の統一化
    (8)高速道路路側帯の避難利用の解禁

    同議連の主な役職者
    会長 大畠章宏
    会長代行 増子輝彦
    会長代理 真淵澄夫
    幹事長 武正公一
    事務局長 磯崎哲史

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ≪参考/オートバイの高速道路料金での過去投稿≫

    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.06)→日本初のバイクデモ/毎日新聞コラム
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/746057775555170
    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.05)→日本初のバイクデモ/東京タイムズ
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/745692858924995
    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.04)→第1波提訴報道/毎日新聞
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/745295015631446
    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.03)→第1波提訴報道/朝日新聞
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/744797609014520
    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.02)→結成報告/読売新聞
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/744155279078753
    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.01)
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/743835959110685





  • まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.06)


    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.06)

    昔々、「バイク乗りの乱」がありました……。その忘備録です。



    ■威風堂々!日本初のバイクデモが実現した日!

    バイクデモの歴史は前回の『RIDE 百騎百景』への時代錯誤な重厚長大なる投稿Vol.05≪快挙!日本初の『バイクデモ』実現!≫編に譲るとして(リンク先は下記参照)、今回は割とショートでライトな当日の別記事アップです(笑)。

    当時、私たちはフランスの『FFMC』(la Federation francaise des motards en colere)」という団体に注目していました。
    直訳すれば“怒れるライダーのフランス連盟”みたいな感じだと思います。
    結成は僕の不確かな記憶では1980年のことだったような気がします(間違ってたらゴメンね)が、ネット情報もなかった時代ですが私たちもその存在の噂だけは耳にしていました。
    正にオートバイユーザーの利益を代表する巨大な圧力団体のようなものだと思います。

    日本と異なり、「フランス革命」のような市民革命を経験した「自由・平等・友愛」精神の民主主義が定着し成熟したお国柄ですから“一朝有事”の事態ともなればフランス全土からバイク乗りたちが「いざ巴里へ!」とばかりに首都を目指して旗を翻して一斉に進撃を開始するようです。そして一挙に勝負の片をつけるわけです。日本で云えば「いざ鎌倉!」みたいな武士(もののふ)の心得でしょうか?(笑)
    私たち“バイク乗り”も鉄馬を駆る「現代の武士」のようなものかもしれません。



    ※Manifestation Moto Paris du 18 Juin 2011 - 11 FFMC
    http://www.youtube.com/watch?v=EEP35DIPJJs

    語学がまったく堪能ではないので間違っているかもしれませんが、上記の映像は『FFMC』による2011年6月18日のものだと思われます。この日、パリは数万台のバイクで埋め尽くされ交通も麻痺状態に陥っていますが、何か問題があれば自然発生的に町の中心部の広場に集まって自由に集会や議論したり、「デモすること」が当たり前の日常的風景の国ですから映像を拝見する限りでは相互理解もあるのか4輪のドライバー側ともトラブルも起きていないようですし、警察も露骨な規制や介入もしていないところが凄い気がします。

    当時の運輸大臣が交通違反の厳罰化やライセンスプレートの変更、黄色い反射ジャケットの着用義務化、取締用レーダー設置警告板の撤去等々の新しい法律案を打ち出したことで、それに抗議する集会がパリの中心部の観光地でもあるバスティーユ広場やコンコルド広場などであったようです。
    「怒りの可視化」による政府に対する抗議行動ですね。こんなことが出来ちゃうって、ある意味では羨ましかったな(笑)。



    【文責】小池延幸(57)/ZRX1200 DAEG
    明治学院大MC『井戸端会議』初代総長

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    【出典】毎日新聞 
    1985年(昭和60年)10月14日(月曜日)

    ▼コラム『雑記帳』
    ◇「高速料金は高すぎるぞ」と十三日、東京都新宿区の明治公園にオートバイ百五十台が結集、千代田区の日比谷公園まで抗議のデモ行進をした=写真。
    ◇今年三月、日本道路公団などを相手に「オートバイと普通車の高速料金が同じなのはおかしい。料金の半額を返せ」と東京地裁に訴えを起こした「バイク差別と闘うライディング・ハイ連絡会」が主催したもので、オートバイによるこの種のデモ行進は珍しい。
    ◇「私も同感よ」と九州から駆けつけた女性ライダー(二二)もいて、時速三〇キロで走行。壮観な列に沿道からは「カッコイー」の声も。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ≪参考≫過去の『百騎百景』投稿先リンク!
    興味があったら跳んでみてね♪(#^^#)

    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.05)→日本初のバイクデモ/東京タイムズ
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/745692858924995
    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.04)→第1波提訴報道/毎日新聞
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/745295015631446
    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.03)→第1波提訴報道/朝日新聞
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/744797609014520
    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.02)→結成報告/読売新聞
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/744155279078753
    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.01)
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/743835959110685





  • まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.05)


    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.05)

    昔々、「バイク乗りの乱」がありました……。その忘備録です。

    ■快挙!日本初の『バイクデモ』実現!

    僕の書斎の本棚に1冊の本があります。
    1981年暮れに出版された『バイク讃歌~ いつもバイクと友達だった/そして今、若いライダーの未来は』(茂木光男著/PMC出版)という本です。僕がバイクに乗り始めた頃に出会った本で、町のバイク屋のおやじさんの書いた本ですが、その視点で戦後の日本のオートバイ史を描いたといっても過言ではない1冊で、名著とか貴重な生き証言といって間違いない内容です。僕にとってのバイブルのような本です。ペンで線を引き引き繰り返し読んだ記憶があります。

    戦前の昭和7年生まれの宮城県出身の茂木さんは東京練馬区内で「茂木モータース」を営んでいました。店に集まる若者たちと1980年(昭和55年)に『二輪を考える会』を結成され、様々なバイクへの不当規制の問題解決に向けて「バイクデモ」の実現に乗り出した矢先に警視庁に徹底的にダメ出しをされて苦悩します。

    1980年11月中旬、彼らの呼びかけで集まった200台以上のバイクは駒沢公園で集会することさえ許されず、数台ずつ寒風吹きすさぶ荒川土手に移動を余儀なくされます。
    追い詰められた果ての結論は「徒歩によるデモ」でした。日本最初のライダーによるデモは1981年5月17日、約100人が雨の中を芝公園からヘルメットを被り、レインウェアを着て、ブーツ姿のライダーたちが手にプラカードを、身体にはスローガンを書いたゼッケンをまとい出発しました。
    この涙ぐましい努力と無念さを想像するだけでも僕は泣けてきました。

    日本国憲法・第21条には「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」とあります。
    デモ行為は「表現の自由」として保証されたものです。ところが、こと「バイクデモ」となると茂木モータースの例のように「絶対バイクデモなどやらせない」というくらいの剣幕で警察側は高圧的な態度で接してきたそうです。主催者としては逮捕者が出ることまでを覚悟してのバイクデモなんて実施できないのも道理です。

    バイクデモの実現には「東京都公安条例」(集団行進及び集団示威運動に関する条例)や暴走族対策の道交法・第68条の「共同危険行為」といった厄介な代物をクリアーする必要があります。

    さて、前回の投稿で触れたように私たちライディング・ハイ連絡会は1985年3月30日に高速道路料金の問題で「不当に高いバイク料金を半分にしろ」との思いから裁判に訴えています。
    ところが同年夏に「嘘だろ?悪い冗談としか思えないよな」という、とんでもない新聞報道を目にしました。
    それは日本道路公団による「高速料金の値上げ申請」でした(笑)。

    参考までに下記に当時の新聞記事のひとつを書き起こしておきます。

    ≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪

    ★≪出典≫東京タイムス 
    昭和60年(1985年)8月7日(水曜日)
    【タイトル】高速料金10%前後値上げ/日本道路公団料金検討委、来週にも申請/今秋実施の公算大
    【本文】日本道路公団の料金検討委員会(委員長・増島健一慶大名誉教授)は、七日に同公団管理の全国の高速道路通行料金について、全車種平均11.4%の引き上げが適正との意見書をまとめ、高橋国一郎日本道路公団総裁に提出する。道路公団は意見書に沿って、来週中にも木部建設、山下運輸両相に11.4%料金引き上げの申請をする見通し。
     引き上げの実施時期について、同公団は9月16日からを希望しているが、建設、運輸両相の審査や物価問題を主管する経企庁などとの調整で、10月1日実施にずれ込む公算が大きい。引き上げ率も今後の調整でも最終的には10%前後に落ち着くとみられる。
     料金検討委員会の意見書提出で、今秋の高速料金引き上げは確実となったわけで、10月実施となれば前回(57年6月実施)以来、約3年4カ月ぶりの引き上げとなる。
     日本自動車連盟や利用者から出ていたオートバイの別料金化など車種区分の細分化や、車種間の料金比率の見直しなどについては、現行のパンチカード方式による料金徴収システムから磁気カードシステムへの切り替えが十分進んでいないなどの判断から今回は見送られた。
     11.4%の引き上げ率を普通自動車の1キロ当たりの料率に置き換えると、現行1キロ当たり19円60銭が約22円になる。料金所通貨の際の手数料に当たるターミナルチャージ(固定費)百円は、そのまま据え置きとなる。
    【コメント】私たちへの挑戦だ/乗用車などとオートバイの高速料金が同じなのは不公平と料金返還訴訟を起こしているライディングハイ連絡会・小池事務局長の話
     値上げには反対だ。あくまでオートバイ料金を下げろと裁判で争ってゆきたい。値上げは、私たちに対する挑戦と受け止めている。現在、第二次訴訟に向けて原告募集を行っているが、秋ごろをめどに、値上げへの抗議の意味を含めて、バイクデモも計画している。

    ≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪

    この事態を受けて短気で瞬間湯沸かし沸騰機
    みたいで知られる私ですが、普段なら「何だとぉ?ふざけんなよ」と激昂しそうなものですが、この時は不思議と不敵にヘラヘラと笑っていました。
    この男が薄気味悪い笑みを浮かべている時の方がよっぽど危険なのです(笑)。頭や腹の中ではまったく別のことを考えていて独りで悦に入っている証拠です(笑)。
    つまり「こっちがさぁ、値下げしろって言ってる最中に、あっちから値上げするって言ってんだから、コレって普通なら喧嘩を売ってきてるようなものじゃん。それなら売られた喧嘩なら買いますかね。上等だよ。まったくもって面白い奴らだなぁ」とニヤニヤしていました。

    実はこの頃、既にライディング・ハイの中では「日本初のバイクデモ実現」に向けた腹案もあったんだと思います。
    それは実験的に「原告団集め」と称して、数百台で高速道路を集団走行するなどのパフォーマンスをして経験を積んでいたのです。
    それは裁判を維持する上でも「原告団集め」の正当な活動ですし、制限速度や安全な車間距離を守った順法闘争でもあり、見た目には大きなバイククラブによるマスツーリングと大差ありません。ここに警察権力の介入する余地はありませんでした。
    無論、バイク雑誌等の媒体を利用しての告知イベントですから警察も気にして交機隊のパトカーを出して様子を伺いにはきてはいましたがお互いのトラブルは一切ありませんでした。統率のとれた集団でツーリングを楽しむことまでをも阻害することは誰にも出来ませんからね。

    桜田門の警視庁本庁には弁護士さんと一緒に訪問しています。
    警視正さんクラスを前に独り言ですが「あれ?日本って憲法でデモって禁止されていたっけなぁ?憲法学の授業で“表現の自由”って保証されているって風に教わった気がするんだけどなぁ~。もしもバイクデモが禁止なら、その問題でも裁判を起こそうかなぁ。そうなると憲法論争になるからどっちが勝っても負けても上告して確実に最高裁まで行きそうな気がするんだよなぁ。そうなればことが憲法論議だからマスコミも注目するだろうし、俺は負ける気がしないんだよなぁ」みたいなことを相手に聞こえるか聞こえないかくらいの小声で呟いたような気がします(笑)。

    結局、これまで絶対に許されなかった「バイクデモ」の許可はすんなりあっさりと下りました。
    次は集会場所というかデモの出発点の公園を確保しなければなりません。都内の公園でも車両乗り入れの出来る公園は限られていますし、そこが別の催し物がない日で場所が空いてなければ借りることも出来ませんし、東京の中心部でなければデモとして沿道の通行人の方々にアピールすることも出来ません。田んぼの中の畦道をデモしても蛙さんやドジョウさんくらいしかギャラリーがいないとしたら悲しいですしね(笑)。
    無論、こちらの様々な準備も必要です。
    東京都の公園を管理する部署に打診して原宿駅からも近い「明治公園」を規模と予算の関係と相談して平米単位で半分のスペースを借りました。(今は明治公園はオリンピックの新国立競技場の建設用地として消えてしまいましたけどね)
    私は四谷警察にデモ申請とデモコースの打ち合わせ等でもお邪魔した記憶があります。
    デモといっても実際には様々な制約はあります。ましてそれが≪日本初のバイクデモ≫という試みですからお互いにトラブルのないように条件と要望のすり合わせが求められます。目標はノントラブルでの「バイクデモの実現」です。1車線2列の千鳥走行で、1梯団のMAXを50台にするとか、各梯団の先頭に街宣車というか先導の四輪車をつけるとか、そんなことのすり合わせです。

    そして遂に1985年10月13日、記念すべき≪日本初のバイクデモ≫がライディング・ハイの手で勝ち取られたのです。バイクの交通安全パレードとは意味的にも違いますよ(笑)。

    私はこの成果を何よりも「前例を作った」ことだとも思っています。
    警察組織もお役所とすれだ、役所は「前例があるかないか」に非常に影響されるような気がします。「前例がない」ものはなかなか認められませんが、過去に「前例がある」ものには時に弱い気がします。
    そんなわけで、将来、何かの理由と目的でバイク乗り達がバイクデモを欲した時は、「1985年10月13日の日曜に、東京の明治公園から日比谷公園までを時速30キロで150台のバイクで許可をとって整然とデモした人たちがいますよ」と堂々と言ってあげてみてくださいな。
    必要があれば「バイクデモ」は実施可能なのです。

    【文責】小池延幸(57)/ZRX1200 DAEG
    明治学院大MC『井戸端会議』初代総長

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    【出典】東京タイムズ NEWSクリップ
    昭和60年(1985年)10月14日(月曜日)

    【タイトル】
    初のバイクデモ/高速料金値上げ反対/全国からライダー150人が都内走行

    【本文】
     「バイクの高速料金が29人乗りのマイクロバスと同額なのは納得できない」として、日本道路公団など3社を相手に高速料金返還訴訟を提訴中の「バイク差別と闘うライディング・ハイ連絡会」(小池延幸事務局長)の会員らバイク愛好家が、13日午後、都内で「10月1日の高速料金値上げに抗議する10・13バイクデモ」を行った。
     バイクによる正式なデモは国内では今回が初めての試み。
     今回、デモに参加したのは東京地区を中心に福岡、京都、宮城など全国から集まった約150人のライダーたち。
     この日、参加者たちは昼過ぎに東京・渋谷区千駄ヶ谷の明治公園に集合。1時間集会を行ったあと、午後3時、街宣車を先頭に50台ずつの隊列を組んで同公園を出発。青山通り→赤坂見附→虎ノ門→外務省前→日比谷公園のコースを約30分にわたってデモ走行した。この日は4週間ぶりに好天気にめぐまれた日曜日とあって、沿道には休日を楽しむ人も多く、初のバイクデモに「何事か?」と足をとめて見物していた。
     京都から参加した■■■さん(23)は「高速料金はやっぱり高い。きょうも高速で来たかったけど1万円もかかってしまう。国道1号で1日がかりで走ってきました。初のデモに参加できてうれしい」と言い、同会会員で原告団の1人・■■■■さん(29)は「遠方からの参加者もあり非常によかった。次回はさらに台数を増やし、もっとアピールしていきたい」と話していた。

    【写真キャプション】
    2列走行で初のバイクデモを行ったライダーたち=港区・赤坂見附交差点

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    ≪過去投稿リンク先≫
    ※もしもお気に召したらどんどんシェアして、若い世代にも「こんなことがあったらしいよ」とお伝えくださいな♪
    遥か昔の1980年代中期のささやかな「バイク乗りたちの乱」ではありますが、皆さんの記憶に残ることが前世紀の遺物みたいな私たちへのレクイエムだとでも思ってさっ!(笑)
    おっと、当時の大半の仲間たちはまだまだ元気にバイクで走り回ってはいますからご安心を♪(笑)

    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.04)→第1波提訴報道/毎日新聞
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  • ライディング・ハイの乱(その4)


    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.04)

    その昔、バイク乗りたちの叛乱の季節がありました……。



    ■「大義の春」来る!東京地裁にバイク部隊で突入!?

    仮にも全国紙の一面にデカデカと写真付きでバイクの記事が掲載されるなんてこと自体が春の珍事だったかもね。
    これで不当に高いバイクの料金に関心もなかっただろうドライバーにも市民の皆さんにも「何事だ!?何が起きているんだ?」と思っていただけたかもしれませんよね。
    バイク雑誌って実は読者の範囲も限られたものなので、他のマスメディアも上手く利用しないとね。これで僕らの怒りも少しは「可視化」出来たのかもです。

    そもそも東京・霞が関の官庁街の裁判所の構内にバイク集団が雪崩れ込むなんてケースは見たことも聞いたこともなかったと思いますからマスメディア的には絵面的にも美味しいというか注目していたんだろうなぁ。

    この日は提訴後に司法記者クラブで会見して、帰ってアパートでゴミ捨て場から拾ってきたテレビを見ていたら、裁判所構内に乗り入れるシーンをどこかのテレビ局の夕方のニュースで見た記憶があります。まだVHSさえ高嶺の花だったのか貧乏学生には普及していないような時代ですから残念ながら当時の映像なんて残っていないしね(笑)。

    閉鎖的とも批判される日本の記者クラブ制度の問題もあって、そこに加盟できない雑誌協会やフリーランスなどは当日の取材にも入れなくて苦労したのか、夜になって部屋の電話が鳴ると週刊誌の記者から電話取材でコメントを求めてきたのも今でも覚えています。(携帯なんて無い時代ですからね)

    写真ではわかりづらいとは思うけれど、隊列の先頭で“髑髏ヘル”とか呼ばれてい白いシンプソンのヘルメットにマットブラック塗装のGPZ400は当時の私です(笑)。あのヘルには黒マジックで「事務局」って“ゲバ字”よろしく大書してありましたっけね(笑)。

    【文責】小池延幸(57)/ZRX1200 DAEG
    明治学院大学MC『井戸端会議』

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    《出典》毎日新聞 
    1985年(昭和60年)3月30日(土曜日)夕刊

    【タイトル】高速料金の半額を返せ/ライダー集団提訴

    【本文】
    「普通車と同じ高速道路料金をとるのはおかしい」と、全国各地のオートバイ愛好家ら総勢六百九十一人が、三十日午前、日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団の三者を相手取り、これまでに支払った料金の半額にあたる総額七十八万六千五十円の返還を求める集団訴訟を東京簡裁に起こした。
     訴えたのは北海道から九州・鹿児島県まで全国の二十歳から五十九歳までの会社員、公務員、医師、学生らで、いずれも「バイク差別と闘うライディング・ハイ連絡会」(小池延幸事務局長、会員百二十人)の呼びかけに賛同したマニアたち。映画監督の高橋伴明さんやシナリオ作家の戸井十月さんも加わっている。
     訴えによると、オートバイは高速道路での二人乗りが禁止され、最高速度も時速八十キロに制限されているのに料金だけは「普通車」扱いで、総重量八トン未満のトラックや定員二十九人のマイクロバス、乗用車などと同額。これは道路の損傷度や運送効果を全く無視した料金体系で、公正妥当な料金を設定するよう求めた道路整備特別措置法にも違反する、としている。
     請求額は、手元に残っている領収書で確認できるものだけで、一人当たり百五十円から一万円まで。

    【写真キャプション】
    提訴のため集まったライダーたち=東京霞が関の合同裁判庁舎前で30日 午前10時35分

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ≪過去記事リンク先≫
    ※どんどん勝手にシェアして、若い世代にも「こんなことがあったらしいよ」とお伝えくださいな♪
    遥か昔の1980年代中期の「バイク乗りたちの乱」ではありますが、皆さんの記憶に残ることが前世紀の遺物みたいな私たちへの供養だと思って!(笑)
    おっと、まだ当時の大半の仲間たちは元気にバイクで走り回ってはいますからご安心を♪

    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.03)
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/744797609014520

    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.02)
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/744155279078753

    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.01)
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/743835959110685





  • ライディング・ハイの乱(その3)


    まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.03)



    ■遂に第一派提訴の朝はやってきた!

    当時の「道路整備特別措置法」の料金の額の基準として第11条には高速自動車国道、首都高速道路、阪神高速道路等々の道路料金の額は「公正妥当なものでなければならない」と明記されていました。

    しかし1人乗りのバイクが、8トンまでのトラックや29人乗りのマイクロバスと同額料金というのは誰が見ても「公正妥当なもの」とは素直には受け取れませんでした。

    そこに錐のように鋭く深く、法廷という公の場で切り込んでいくことでバイクにまつわる諸問題への突破口をこじ開けていこうと僕などは考えていました。
    「バイクの高速料金って高すぎだよね」と嘆いて愚痴って傷の舐め合いをしているだけでは、何も状況が変わらないのは事実です。
    バイク乗りであろうとすれば、雄々しく

    前回お知らせしたのは、この問題に具体的に「払い過ぎ高速料金返還訴訟」という方針を確立&提起して立ち上がった『バイク差別と闘うライディング・ハイ連絡会』というバイク乗り集団の結成報告の読売新聞の「2輪車決起」記事でした。(参考の為にリンク先は下記に記しておきますね)
    今回の新聞記事は、それから約1年強の報道です。途中の経過はまた改めて記していこうとは思っています(笑)。せっかちな性格なので、ちょいと先を急いでみただけの話です。

    バイク乗りの間で囁かれていた噂は本当だったのです。
    戦後の日本のバイク乗りの最大の「異議申し立て」でもあった「ライディング・ハイの乱」が現実の姿として法廷の場に持ち込まれたのです。

    次回で触れるつもりですが、提訴行動として東京地裁に数十台のバイクで「突入」するなんて前代未聞の派手なアクションをぶちかました日でした。
    あれは快感だったな♪(笑)
    運動には血沸き肉躍るようなダイナミズムが時に必要なのです。
    【文責】小池延幸(57)/ZRX1200 DAEG

    ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

    【出典】朝日新聞 
    昭和60年(1985年)3月30日(土曜日)朝刊

    ▼/ライダー団結 きょう提訴/『高速料金、半額返せ』/二輪車冷遇に反発/「市民権認めて」が狙い

    【リード】
    「オートバイとマイクロバスの高速道路料金が同じだなんておかしいよ」。日ごろからこんな疑問、不満を抱いていた全国のオートバイ愛好家たち約七百人が、一斉に立ち上がることになった。日本道路公団(高橋国一郎総裁)などを相手取り三十日、東京地裁に「払った料金の半分は返せ」と、計約八十万円の不当利益の返還を求める訴訟を起こす。お金が惜しい、というよりは、とかく“アウトロー”的に見られがちな、世間の「二輪車差別」へのささやかな抵抗の意味もあるとか。ゆくゆくは原告を一万人にまでふやす予定で、「幅広い運動を通して、ライダーにも市民権を認めてもらいたい」という。

    【本文】
    訴えるのは、「バイク差別と闘うライディング・ハイ連絡会」=東京都品川区荏原一丁目=の事務局長をしている小池延幸さん(二五)たち。
    小池さんは、ライダー歴約四年。四〇〇㏄車を愛用している。明治学院大在学中に、バイク通学禁止への反対運動をしたことから、バイク規制問題を考え始めた。仲間をツーリングに誘ったら、「高速が高いから……」と断られた経験がしばしばあり、今の高速料金に納得できない気持ちが強くなった。
    例えば、日本道路公団の場合、料金は「普通車」「大型車」「特大車」と車両の重さや車軸数などで、三区分に分けられている。オートバイは、最低の「普通車」に区分されているが、普通乗用車のほか、車両総重量八トン未満で最大積載量五トン未満のトラックや、二十九人乗り以下のバスなどもこの区分。
    「四〇〇㏄のオートバイの重さは、約〇・一五トンしかなく、道路に占める割合も道路の損傷も普通車に比べればごくわずか。二人乗りも禁止されている。こんな大ざっぱな区分の中にまとめられたのはライダーが圧倒的に少数派で、黙っていたからだ」と小池さん。
    さらに、速度制限も、二輪車は最高八〇キロと乗用車などに比べ二〇キロ低くおさえられている。このほか、東京都内では、二輪車だけが通行禁止になった陸橋や地下道がある、など種々の規制がかぶさってくる。こうした不満から、小池さんは昨年一月、訴訟を思いつき、バイク雑誌やライダーの集まる場所で、参加を呼びかけてきた。
    提訴第一陣の原告になることを希望し、委任状を寄せてきた仲間は、北海道から鹿児島まで、年齢は二十歳から六十歳までと幅広い。学生、OL、会社員に加えて、教員、医者、住職など職業もさまざま。女優高橋恵子さんの夫で、映画監督の高橋伴明さんや、著述業の戸井十月さんらも参加している。女性も約一割。それぞれが、過去に利用した際の領収証を持ち寄り、とりあえず半額分の返還を求める。一人当たり二百円から一万円と額はわずかだが、「これを突破口に、オートバイ乗りはどことなく反社会的、とみられがちな風潮を変えていきたい」と参加者たちは話している。
    料金の“割高”が反映してか、道路公団の全国二十四路線(延長約三千五百キロ)を利用する二輪車は、一日平均約二千台(同公団の概算)と、全利用車数約百十万台に比べれば、ごくわずか。安い別料金にすれば、ライダーの利用もぐっと増え、公団側の懐も潤いそうなものだが、今回の提訴に日本道路公団では「訴状をよく見てから検討したい。ただ、料金は運輸、建設両大臣の認可によるもので、公正、妥当なものだと思う」とつれない対応ぶりだ。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ≪参考リンク先≫
    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.02)
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/744155279078753

    ▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.01)
    https://www.facebook.com/halumotoride/posts/743835959110685






  • まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.02)


    まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.02)



    昭和な僕らの時代には誰かに情報を伝えたくても、現在のように携帯電話どころかスマホもインターネットもSNSも便利な情報伝達ツールも方法もありませんでした。
    頼みの綱はマスメディアと口コミや地道なビラ(フライヤー)撒き活動とバイク雑誌程度のものでした。

    30年以上も過去の出来後なので、資料も散逸してしまって汚いコピーが手元に残っているだけなので、下記に取り敢えずシコシコと文字起こしを試みています。(誤字脱字があったらゴメンね)
    当時24歳だった僕も既に初老に差し掛かりつつある年域(ちなみに今月で58歳に突入します)に達しつつあり、当時の仲間の中には残念なことに既に鬼籍に入られた方もいて、そろそろ何か昔話であっても何処かに軌跡を残しておかないとヤバいかなと思いました。

    何時か、日本のバイク乗りたちの歴史の中で≪ライディング・ハイの乱≫とでも位置づけられるような評価が成されれば頑張った甲斐とか、当時の悪戦苦闘と試行錯誤なり模索といった苦労が少しでも報われるという気もします。
    だからご自由にどんどんシェアでもして1人でも多くのバイク仲間に「俺達はまだ生まれてもいなくてそんなこと知らなかったけれど、昔はこんな無茶な闘いに挑んだ連中が存在したんだ」とでもお伝えください。
    何時か路上で!!!
    【文責】小池延幸/ZRX1200DAEG


    【出典】読売新聞 
    昭和58年(1983年)11月21日(月曜日)

    ▼2輪車決起/「高速道路料金高すぎるョ」/一万人集め「普通車の半分でいいはず」と/払い過ぎ返還訴訟へ/「業務が煩雑化」建設省・公団は反論

    「高速道路の二輪車料金が、普通車と同じというのは高すぎる。普通車の半分でいいはず」----と、現行の料金体系に抗議する“まじめライダー”たちが、建設省と日本道路公団を相手に“払い過ぎ料金”の返還を求める民事訴訟を行うことになり、二十日までに、集団訴訟のための連絡会を結成した。賛同者一万人を集めて訴訟に踏み切るというが、本当のねらいは、「二輪車」の別枠料金を設けてほしいという一本立ちの要求。建設省、公団側では「料金徴収業務が煩雑化する」と、料金改定の意思はなく訴訟には受けて立つ構え。普通車側から見れば、高速道路上で二輪車と接触しそうになってヒヤリとした経験を持つ人も少なくないだけに、安全上からも反対の声が上がりそう。最近の二輪車ブームの中でのこの動き、賛否両論の波紋を広げそうだ。

    この会は「バイク差別と闘うライディングハイ連絡会」=小池延幸事務局長(二四)=。
    バイクが大好きだが暴走族ではない、という二十代から四十代までの会社員や学生、弁護士、雑誌編集者、ジャズ歌手ら“まじめライダー”十数人が集まって今月十八日に結成された。料金問題をはじめ、二人乗り禁止や速度制限など、高速道路でのバイクに対するさまざまな差別をなくしていこうというのが目的で、一番身近な料金問題について集団訴訟の形で社会にアピールしていくことになった。一万人訴訟という数字上のハードルを自ら設けたのも、それだけの賛同者があれば社会的な支持を得られたと判断してもいいのではないかとみたからだという。
     具体的な集団訴訟の手続きについて同会では、趣旨に賛同するライダーの委任状のほか免許証や車検証、高速道路料金の領収書などのコピーと、訴訟費用として一口千円程度を送ってもらうことを考えており、会報やバイク専門誌などを通じて、ライダー仲間に呼びかけ、一万人の申し込みが集まった時点で訴訟に持ち込むことにしている。“過払い金”の額については他の車両との重量比や定員比などのほか、外国の実態とも比較して今後、具体的に算定していくことにしているが、現在のところ現行料金の半額程度をメドにしている。
     高速道路料金は「普通車」(総重量八トン未満のトラックや乗客定員二十九人以下のマイクロバスを含む)、「大型車」(同八トン以上のトラック、路線バス)、「特大車」(同二十トン以上のトラック、四軸以上のトレーラーなど)の三区分になっており、バイク(高速道路を走れるのは125cc以上)は「普通車」扱い。
     同会の小池事務局長は「バイクは高速道路では一人乗りしか認められていないのに、二十九人まで乗れるマイクロバスや何十倍も重いトラックと同一料金なのは理解できない。建設省などは事務が煩雑になるというけれど、軽自動車と普通自動車の区分なら面倒でも、二輪と四輪だったら一目でわかるはず。二輪車に対する行政側の差別としか思えない」と話す。
     また、この問題をバイク専門誌で追及している同会メンバーのフリージャーナリスト、牧園厚さん(三四)は「欧米では高速道路でも二人乗りを禁止しているところはなく、しかもバイク料金を別区分にしている国も多い。行政側の本音はバイクに走ってもらいたくないということなのだろうが、なぜバイクだけ目の敵にされるのか」と話している。
     これに対し、建設省高速道路課では「高速走行の際はバイクも一台の自動車と同様の車間距離が必要で、道路の占有スペースからすれば同じこと。しかも車の区分を細かくすれば料金徴収業務が煩雑化し、結果的に料金にはね返ってくる」(野村和正・建設専門官)としている。日本道路公団でも「道路の損傷という点からすれば重量ごとに区分するのも一つの考えだろうが、あまり区分が多いと料金徴収に時間がかかり、利用者へのサービスも低下する。しかも高速道路をどんどんバイクに走られても危険だ。また、バイクだけ別枠にすると、軽自動車やトラックからも同じ要望が相次ぐだろうし……」(前田慎一・業務企画課長代理)といい、料金区分を変える気配は全く見せていない。

    写真キャプション/「普通車」の料金を払うバイク・ライダー

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    今になって改めて読み返してみても「料金徴収業務が煩雑化する」なんて相手側の言い訳は怠慢そのもので、お金を取る側の都合を優先していて笑えました。(現場の徴収係の労働者の皆さんの苦労はわかりますけどね)

    これはライディング・ハイ連絡会の狙いすました旗揚げ記事でしたが、後日「読売新聞」にこんな「申入書」を行っていたのも併記しておきます。

    ■申入書 
    1.本年11月21日付貴紙朝刊に「二輪車決起」という記事が掲載され当会の発足について、報道されました。
    二輪の不当な高速料金問題を広く、世の人々に問いかけてゆこうとしている当会にとっては、この報道は歓迎すべきものとして受けとめております。
    2.しかしながら、記事のなかに当会が「暴走族」ではなく、「まじめライダー」の集団であるという部分がありましたが、この様な表現の仕方は、当会の基本理念が多くの人々に誤解されるおそれがあり、当会としては看過することができません。
     当会は、不当なバイク差別と闘う、という一点でのみ一致できるすべての人々を受け入れる会です。ライダーを「まじめライダー」とか「暴走族」とかに区分することは、バイク差別の延長であると考えております。
    3.以上の通りでありますから、当会が「まじめライダー」だけの会ではなく、バイク差別と闘うという一点で一致できるすべての人々を受け入れる会である旨の訂正記事を貴紙に掲載されることを本書面において申し入れます。
    昭和58年11月28日
    バイク差別と闘うライディング・ハイ連絡会事務局 事務局長 小池延幸
    読売新聞社社会部殿


    ■あの狼煙(のろし)を見たかい?

    旧くからのバイク乗りの皆さんならば、きっと覚えていらっしゃる方もおられるかとは思います。それは“その昔”といっても今から約30年前の出来事になります。
    オートバイの高速道路料金が、まだ「29人乗りのマイクロバスと同額料金」だった時代に、あまりの不公平さに憤り、是正を求めて軽自動車枠の新設とそこへのバイク料金の落とし込みを法廷闘争で勝ち取った集団がありました。
    現在の料金体系は(はなはだまだまだ不満はありますが)この闘いの結実だと思います。

    それは『バイク差別と闘うライディング・ハイ連絡会(通称:ライディング・ハイ)』という全国各地のバイク乗りによる果敢な挑戦でした。

    狼煙が上がったのは1983年11月21日付の読売新聞の紙面でした。
    そこには「二輪車決起」「高速道路料金高すぎるョ」「一万人集め『普通車の半分でいいはず』と」「払い過ぎ返還訴訟へ」という刺激的な見出しが躍っていました。
    これは司法記者クラブ内でも読売新聞記者のスッパ抜きのスクープでした。

    無論、この記事に至るまでには水面下で闘いに向けた準備は着々と進んでいました。
    バイクの高速料金を下げる為にはその方法論を巡ってバイク乗りでもある弁護団との協議も進めてきました。
    これまでも同問題では4メーカーや2輪業界団体等々が様々な陳情請願や署名活動を行っていたとは思いますが、お役所や日本道路公団(当時)がそう易々と料金値下げに応じてくれる筈もありませんでした。時代劇でよくみる「お代官様お願いしますだ」の光景だったのでしょうね。

    そこで思いついたのが、民主主義のルールに乗っ取って、この問題を法廷という公の場に持ち込み「可視化させる」ことで、バイクに無関係な人々にも訴えかけて世論喚起を図ることでした。願わくば、世論の支持をバックに道路行政そのものにまで切り込んでいければと考えていました。
    そもそも社会資本である道路は本来無料であって然るべきだろうくらいの大前提です。
    その為に提起したのが「払い過ぎ高速料金1万人返還訴訟」で、バイクで高速道路を走った経験のある方なら誰でも「原告」として参加できる方法でした。
    合言葉は「高すぎるぜバイクの高速料金!」と単純明快なものだった記憶があります。

    集団訴訟(マンモス訴訟)を選択した段階で脳裏を掠めたのは公害訴訟や薬害訴訟、航空機の騒音訴訟、投資被害訴訟、新幹線の乗車料金の在来線との差額を巡る集団訴訟のことでした。
    当時200万人とも300万人とも言われたバイク人口が仮にこの原告団の列に加わってくれれば、それだけでも日本の裁判史に残る大事件になる筈でした。

    しかし最初から「徒手空拳」「蟷螂の斧」の闘いを強いられるのは百も承知のことでした。
    初期メンバーは「3人(が)腹を括ればなんとかなる」と集まるとよく笑いあっていたものです。
    闘いは大らかで楽しくなければ勝てません。
    僕らは退屈しているヒマなんてなかったのです。

    最近にわかに某バイク雑誌誌上でバイクの高速料金が半額になるという話題がアナウンスされています。国会議員や業界団体を巻き込んだ署名活動が近々大々的にスタートする模様です。料金の値下げ自体は歓迎すべきことですよね。
    しかし約30年にも現在に至る取り組みが成されていたことも書き留めておきたいと思いました。
    当時の資料は散逸してしまって手元に残っているものは僅かなものではありますが、時間軸に捉われず思いつくままに微かな記憶の範囲を辿りながらゆるゆるとお伝えしていきたいと思っています。【文責】小池延幸





  • RIDING-HIGHの乱(その1)




    “まつろわぬバイク乗り”たち『RIDING-HIGH』の叛乱の伝説(Vol.01)

    その昔、バイク乗りたちの戦(いくさ)がありました……。

    ■あの狼煙(のろし)を見たかい?

    旧くからのバイク乗りの皆さんならば、きっと覚えていらっしゃる方もおられるかとは思います。それは“その昔”といっても今から約30年前の出来事になります。
    オートバイの高速道路料金が、まだ「29人乗りのマイクロバスと同額料金」だった時代に、あまりの不公平さに憤り、是正を求めて軽自動車枠の新設とそこへのバイク料金の落とし込みを法廷闘争で勝ち取った集団がありました。
    現在の料金体系は(はなはだまだまだ不満はありますが)この闘いの結実だと思います。

    それは『バイク差別と闘うライディング・ハイ連絡会(通称:ライディング・ハイ)』という全国各地のバイク乗りによる果敢な挑戦でした。

    狼煙が上がったのは1983年11月21日付の読売新聞の紙面でした。
    そこには「二輪車決起」「高速道路料金高すぎるョ」「一万人集め『普通車の半分でいいはず』と」「払い過ぎ返還訴訟へ」という刺激的な見出しが躍っていました。
    これは司法記者クラブ内でも読売新聞記者のスッパ抜きのスクープでした。

    無論、この記事に至るまでには水面下で闘いに向けた準備は着々と進んでいました。
    バイクの高速料金を下げる為にはその方法論を巡ってバイク乗りでもある弁護団との協議も進めてきました。
    これまでも同問題では4メーカーや2輪業界団体等々が様々な陳情請願や署名活動を行っていたとは思いますが、お役所や日本道路公団(当時)がそう易々と料金値下げに応じてくれる筈もありませんでした。時代劇でよくみる「お代官様お願いしますだ」の光景だったのでしょうね。

    そこで思いついたのが、民主主義のルールに乗っ取って、この問題を法廷という公の場に持ち込み「可視化させる」ことで、バイクに無関係な人々にも訴えかけて世論喚起を図ることでした。願わくば、世論の支持をバックに道路行政そのものにまで切り込んでいければと考えていました。
    そもそも社会資本である道路は本来無料であって然るべきだろうくらいの大前提です。
    その為に提起したのが「払い過ぎ高速料金1万人返還訴訟」で、バイクで高速道路を走った経験のある方なら誰でも「原告」として参加できる方法でした。
    合言葉は「高すぎるぜバイクの高速料金!」と単純明快なものだった記憶があります。

    集団訴訟(マンモス訴訟)を選択した段階で脳裏を掠めたのは公害訴訟や薬害訴訟、航空機の騒音訴訟、投資被害訴訟、新幹線の乗車料金の在来線との差額を巡る集団訴訟のことでした。
    当時200万人とも300万人とも言われたバイク人口が仮にこの原告団の列に加わってくれれば、それだけでも日本の裁判史に残る大事件になる筈でした。

    しかし最初から「徒手空拳」「蟷螂の斧」の闘いを強いられるのは百も承知のことでした。
    初期メンバーは「3人(が)腹を括ればなんとかなる」と集まるとよく笑いあっていたものです。
    闘いは大らかで楽しくなければ勝てません。
    僕らは退屈しているヒマなんてなかったのです。

    最近にわかに某バイク雑誌誌上でバイクの高速料金が半額になるという話題がアナウンスされています。国会議員や業界団体を巻き込んだ署名活動が近々大々的にスタートする模様です。料金の値下げ自体は歓迎すべきことですよね。
    しかし約30年にも現在に至る取り組みが成されていたことも書き留めておきたいと思いました。
    当時の資料は散逸してしまって手元に残っているものは僅かなものではありますが、時間軸に捉われず思いつくままに微かな記憶の範囲を辿りながらゆるゆるとお伝えしていきたいと思っています。【文責】小池延幸