たまりば

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▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その8)


▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その8)



★かつてオートバイの高速料金体系に強烈な楔を打ち込んだ1万人返還訴訟の“ライダー弁護団”の主任弁護士・大津先生のMB誌掲載の幻のテキスト!

GWなのに朝から医者通いの身なので書斎の本棚の奥から1冊発掘してみました。
1982年に出版された『バイクはオレの魂だ』です。
これは『Mr.Bike』誌が創刊から手掛けていた連載企画「男のジャーナル」のセレクト収録本でした。当時は毎号4本が掲載されていた気がします。時々で「バイクは男のファッションだ」「バイクは男のスポーツだ」「バイクは男のメカニズムだ」「バイクは男のロマンだ」と切り口は変遷していったと思いますし、女性ライダーの登場で“ミス・バイク”勢の寄稿も増加していきました。
『ミスター・バイク』が、バイク雑誌界の中でオピニオン・リーダー的存在を発揮していたとしたら、ある意味ではこの連載企画の力が少なからず影響していた気が僕はしています。読むべき価値のあるテキストがそこにはまだ存在した古き良き時代です。巷に溢れる最近のバイク雑誌ときたらオールドウェイヴしまくっている僕などには買っても読むページが無いほどです(笑)。かつてのMB誌のように「こいつらバカかよ」と笑えるページもないですしね。新車情報とインプレばかりでは食傷気味です。

掲載年月は忘れましたが、その「男のジャーナル」の中で、ひときわ目を引いた出色の1本に出会いました。
恐らく膨大な同連載の中でも後にも先にもあんなレベルの寄稿はそうそうなかったと思います。
それが当時30歳をちょちょっと出たくらいの大津卓滋弁護士の檄文でした(笑)。
恐らく、当時の大津さんはミスターバイク誌上で展開されていた横浜ケンタウロス提起の「横浜新道2人乗り禁止」問題で、裁判の弁護をされていたのが登場のご縁だったのかもしれません。

とにかく大津エッセイのタイトルがメガトン級に凄まじかったのです!(笑)
「蜂起せよ!若き騎馬民族の末えいたちよ!“管理社会に生命の火柱を燃やせ”」だったのです。
文章で無責任にアジることなど誰でも出来ますが、どう考えて「反権力を信条とする」御仁でしたし、それを実践しているのも伝わってきました。他にMB誌上で見開き2ページを文字原稿だけで埋め尽くした大津弁護士の論文を学生時代に読んだことがあります。あの時も「この人、一体何者だよ。バイク雑誌なのに差別問題まで全面展開して論じているよ」と喝采を送った気がします。
そういえば大津さんが暴走族メンバーの裁判も引き受けていたことも思い出しました。

さて、件のエッセイですが、とにかく文章が上手い!
天は時に1人の人間に幾つもの才能を与えるようです。まぁ、大津先生の大学時代の悪友たちは今や日本を代表する小説家だったりルポライターの方々ですから、ご本人も何かの拍子で弁護士になっただけで元々は文学青年だったのかなぁ?

書き出しは----
「突然、白っぽい乗用車が右側から大きく視界を塞いできた。回避は不可能だった。ハンドルと体が接触し、アスファルトの路面が大きくブレながら迫って来た。転倒し路面にたたきつけられた。2年ぶりの転倒。センターラインのあたりにバックミラーの破片と共に投げ出され、後方へ流れ去ることを停止した街並や、人々の注視を、ほぼ路面と同じ低い視点から見上げる感覚もそう悪いものではない。惚れ抜けば、どんなことでもまんざらではなくなる。因果なことである。」
----で始まっています。
バイク乗りなら似たような経験あると思うから、この情景はリアルにわかるよね。
でも、とても僕はここまで上手く書けない。悔しいけれど、30代半ばのかつての大津さんに、還暦も近い僕は相も変わらず文章ひとつ取り上げても敵わないのが現実だ。
まっ、相手は「悪魔」みたいなお方ですから最初っから「凡人」の僕では勝負にならないと諦めるとしよう(笑)。早くこれくらいの名文が書けるようになりたいものです。
エッセイの、この後は大津ご夫妻のめくるめくバイク生活で遭遇した印象的なエピソードの数々をフラッシュバックしながら綴られていきます。

その過程でも「たかがバイク、と200キロ足らずのコイツをしみじみながめてみるが、このバイクが一旦始動するや、確かな手応えのあるもう一つの別個の世界。」「感覚の流れが、全く新たな回路を巡り肉体と精神の全てが解き放たれてゆく感覚は如何とも仕難く
、抗し難い。」「そしてやがて知るソロの味。」、暴風雨の夜のシーンでは「ブーツの中に溜まった水の重さと叩きつけてくる雨に打ちひしがれながらも必死の思いでスロットルを握りしめる。哀れな我が身にくらべ、何ら変化することなく正確な爆発を続けるシリンダーの頼もしさ」、晴天のワインディングロードでは「殺意を孕みながらコーナーに迫る。憎悪を叩きつけてクリアする。原初の凶暴さがマシンを介して現代に蘇る。」と、時に詩的に、時に官能的に続くのでした。
これは片岡義男にも比肩するかもな(笑)。

当時、何度も読み返したせいか、この辺の文章感覚は僕も時々パクッているというか、大津さんのテイストが今も意識下に染みついちゃっている気がするんだよね(笑)。

エッセイは後半になって一挙に吹け上がっていきます。
大津先生節の小気味よい炸裂です。
「管理し尽され閉塞した社会のなかで、広がりと豊かさを有した世界を体得し、生命の火柱を再燃させる有力な武器である故に、バイクは様々な敵意と憎悪に包囲される。」に始まり、「バイクに対する敵意と憎悪は偏見などではない。もっと根深く必然的なものだ。農耕民族は本能的に騎馬民族を畏れる。己の世界の狭さ故に広い世界を嫉妬する。加えて我国の権力者は明治以来、常に陰湿なニヒリストであった。彼等は、自己を解き放ってゆく者の存在を容認することが決して出来ない。『偏見を無くしてバイクに市民権を』と叫びながら4輪の後をおとなしく走ることは、銃口の前で丸腰になることだ。彼等に決して、にじり寄るべきではない。理解不能な魅力溢れる姿を誇示すべきである。農耕民族の保守性などは解体されるに越したことはない。」「バイクはいかにもバイクらしく徹底して走るのがいい。バイクを取り巻く緊張はもっと拡大されるべきである。人間の生きる社会は、もっともっとエネルギィに満ち溢れなくては、まっとうな姿ではない。バイクデモは断固やるべきなのだ。やられたらやり返せ!抜かれたら抜き返せ!これがライダーの鉄則である。」
----と結ばれていました。

これをMB誌上で読んだ時はコメカミがヒリヒリするわ、鳥肌モノでゾクゾクきましたね。
この時、直観的に同じ匂いを嗅ぎ取った気がしました。この人なら話せば何か接点が見いだせるんじゃないかという期待でした。
弁護士は仮の姿かと思っちゃいましたよ(笑)。

そして、この本の発行から数年を経ずして、「バイク差別と闘うライディング・ハイ連絡会」はこの大津先生を弁護団に擁して、実際に高速料金の値下げを求めて法廷闘争に突出し、一度も許可の出来なかった「バイク・デモ」を実現させるなど、闘いの火蓋を切って落としたのです。それは曖昧な都市伝説の類ではなく、バイク乗りたちのリアルな反撃の狼煙でした。間違っても、テレビ画面の中のゲームやアニメの世界じゃありませんよ♪
自己存在を賭けた生身の闘いでした。

大津さんのエッセイ中、「騎馬民族説」に触れた箇所があった気がします。
これは、戦後、考古学者・江上波夫さんが唱え、世間を一世風靡した学説「騎馬民族征服王朝説」(騎馬民族日本征服論)の影響だと思われます。
つまり、遠い昔、大陸の騎馬民族が半島から日本に渡って大和朝廷を立てたという壮大な仮説です。
残念ながら学会では荒唐無稽と否定的な意見も多く、定説には至りませんでしたが、民間には妙にそのロマン溢れる学説が人気を得たのも事実です。
そのせいか、大津さんの刺激も影響してか僕達はその説を更に妄想レベルまで飛躍させて“バイク乗り=騎馬民族の末裔説”として、「さも在りなん」みたいに大真面目な顔をしてよく語っていたわけです
誇大妄想的な大風呂敷を広げて法螺を吹くのも、それをロマンとして語る範囲では罪な
ことではありませんからね(笑)。

別の機会にでも改めてご紹介しようとは思っていますが、書斎の本棚に眠っていた別の本(フォトエッセイ集かな)に『Road Stream~空気を震わせたバイクたち。』(原富治雄編著/群雄社/1983年8月25日発行)というものがあります。
この本の中でも、劇画『ケンタウロスの伝説』(1981年)を執筆された御厨しげ美さんが『騎馬民族の末裔今尚』という長文エッセイを寄稿しています。
“バイク乗り=騎馬民族の末裔説”を地で往くような強面のバイク集団が今でも存在していますよね。

【文責】小池延幸(58)/ZRX1200 DAEG
明治学院大MC『井戸端会議』初代総長

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【出典】『バイクはオレの魂だ~50人のライダーたちからの伝言』1982年
編著 渡辺靖彰/CBSソニー出版

【帯】
バイクの魅力、魔力はバイク乗りにしか話せない。バイク哲学からミス・バイクの話まで、頁を開くとバイク大好き人間が全員集合!ライダーたち50人が語りまくった、バイク大好き人間への伝言収録。

【目次】
はじめに……2
①走り出した女たち、ミス・バイク集合
……11
➁バイク・ブームの中のライダーたち……55
➂バイクはオレの生きザマだ……81
④オレのバイク論、ライダー論……125
➄バイク、このはてしない奥深きモノ
……159
あとがき……201

【評】
大竹 修(Mr.BIKE編集長)
バイク乗りの気持ちはバイク乗りがいちばんよく知っている。ところが、どうもバイク乗りというのは口ベタが多い。だから、世間から誤解される。いや、バイク乗りのほうが言葉なんぞにならない世界のスゴさを持っているから嫉妬されるのだろう。手前味噌だが、この本は面白い。近頃これほど面白い本はなかなかない。ということは、バイクは面白いということで、バイクに乗る人も乗らない人も読まないとソンをする。

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  • ▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その7)


    ▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その7)



    「番外編」を良いことに今日は思いっきり脱線(コースアウト?)してみます。

    本棚から学生時代に読んだと思われるエッセイ『だからバイク大好き!----バイクは男の格闘技』(高千穂 遥著/集英社)が転がりでてきました。

    この小説家さんはバイク好きで当時知られていました。『ミスター・バイク』誌の創刊時からの連載企画「男のジャーナル」にも免許取得時の28歳男のドタバタぶりを「教習所タイ記録で、中型お情け取得した、私のバイク・ライフ」というエッセイを寄せていたはずです。著書によれば、免許を手にしてからは杉並区内の当時の「イオギオート」(現「SF Boon」)の常連さんだったらしく、職業柄からバイク好きの漫画家さんなどの著名な方々(新谷かおる、しげの秀一、御厨さと美、鳥山明、中山蛙etc…)との親交が厚いことでも知られていたそうです。余談ですが、この作家さんは警察の1発試験で見事“限定解除”を取得されています。努力のお方です。

    高千穂さんは“遅れたきたライダー”であったが故なのかどうかわかりませんが、前述のエッセイ本の中で、かなり鋭く高速道路料金問題に肉薄していました。
    小説家という表現者の方が、当時この問題に対して積極的に発言するのは珍しいことでした。
    恐らく、何処かのバイク雑誌で連載企画を1冊の本にまとめたのがこの本だったような気もします。掲載号を目にしていたから買った本なんだと思います。失礼ながら高千穂さんの本は僕の本棚には『夏・風・ライダー』くらいしか見あたらないところを見ると氏の代表作のSF小説は読んでいないわけでもあります。

    バイク・ジャーナリストを自称する方々は星の数ほどいるのかも知れませんが、正面から高速道路料金問題を論じたのはミスタ・バイク誌やベスト・バイク誌上で活躍されていたフリーライターの牧園厚さんくらいしか残念ながら僕には思い浮かびません。
    その意味からも畑違いの小説家の高千穂さんが、趣味の世界からこの問題を取り上げて意見していたのは記憶に残りました。

    怒るべき時、怒らなくてはならない場面で、腰が引けて怒れないとか見て見ぬフリをするバイク乗りにはなりたくないと自戒も込めて思う私です。あはっ!

    【文責】小池延幸(58)/ZRX1200 DAEG
    明治学院大MC『井戸端会議』初代総長

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    【出典】『だからバイク大好き!----バイクは男の格闘技』高千穂 遥著/集英社
    1983年11月23日発行
    第2章 高千穂遥の日々是ライダー より

    【本文】
    ●上を行くか、下を行くか
    長距離ツーリングで問題になるのは、高速道路の存在である。
    高速道路は、はっきりいって便利だ。なによりも信号がないのがいい。路面も、一般道路ほどは荒れていない。
    ところが、高速道路のほうは、どちらかといえばバイクを好いていない。いや、それどころか、むしろ嫌っているようにさえ思われる。最高速度は八〇キロに制限されているし、二人乗りも禁止されているからだ。それでいて、料金は普通車と変わらない。まったく腹が立つ。
    雑誌などによると、料金が四輪と同じなのは、バイクでも四輪でも道路を傷める割合が違わないからだ、と公団が説明しているらしい。ふざけた話だ。一度そう主張している担当者をバイクと四輪で轢(ひ)き比べてやりたい。四輪で轢けば、上半身と下半身が一度でぐしゃぐしゃになる。しかし、バイクのほうは、そのどちらか一方がダメージを受けるだけだ。
    これでも、まだそんな世迷言をほざくのだろうか。
    そのうえ公団の人間は、四輪とバイクの料金を分けると徴収業務が煩雑になり、余計にかねがかかるようになるなどと間の抜けたことを喚(わめ)いている。 
    こういうことをいうやつは給料をもらう資格がない。自分の無能を満天下にさらしているだけだ。民間会社にいたら、とうに首になっている。こんなのを責任ある地位に置いたら、会社の業績は下がりっぱなしになるだろう。役所から天下ってきたやつには、こういう役立たずが多い。
    高速道路の徴収業務には、すでにコンピュータが導入されている。カードを渡したあとで料金が電光表示されることは、高速道路を利用した人なら誰でも御存知だろう。バイクの料金を四輪と分けるには、カードを読みとらせるときに、係員がバイクを意味するキーを一つ、チョンと押せばいいのである。プログラムさえちゃんとはいっていれば、煩雑などというひまもなく、バイクの専用料金が電光表示される。実際の話、こんなことはコンピューターを使わなくても、カシオの電卓で充分にできる。かねなどかかりはしないのだ。
    それでも公団が、どうしても料金は変更できないと主張するなら、よろしい。四輪並みにかねを払ってやるから待遇も四輪並みにしないさい。
    最高速度を四輪と同じにして、定員一杯の乗車を認めるのだ。
    たいていのバイクは登録証に定員が二名と記されている。しかし、高速道路ではこの定員が通用しない。これは、どういうことだ。二人乗りだと事故の際に二人とも負傷するから危ないといいたがる馬鹿がいる。冗談じゃない。五人乗りの車が事故ったら五人ケガするんだ。事故一回あたりの死傷者を減らしたかったら、四輪もみんな一人乗りにしろ。そうしたら納得してやろうじゃないか。
    ぼくは無理難題をふっかける気は毛頭ない。料金が同じなら、条件も同じにしろといっているだけだ。条件が同じにできないのなら、料金を安くしてほしい。----これは、まことに筋の通った正論ではないか。
    ライダーは今、上を行くか、下を行くかでひどく悩まされている。ライダーによっては単調でつまらない高速道路など使う必要はないという人もいる。しかし、そういう人も、急いでいたり疲労を最小限に抑えたいときは、信念を曲げて上を走ってしまうのだ。
    バイクは、これまで少数派だった。だが、これからは違う。バイク人口は着実に増えている。もう一方的にバイクが馬鹿にされている時代は終わったのだ。これからはバイクが逆襲するときである。高速道路をもって、その嚆矢(こうし)としよう。

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