たまりば

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ダークサイドツーリング~松代大本営跡

夏休みにこんな社会科見学もいいかもよ。

先の大戦で尊い犠牲を強いられたペリリュー島や硫黄島、沖縄戦でもこのような地下壕が徹底抗戦を叫ぶ日本軍によって建設されていたのでしょうね。

「大本営」と聞いても戦後生まれの僕達にはリアルではありませんが、戦時に天皇をトップとして設置される最高統帥機関のことだったそうです。映画やドラマの中でラジオから流れる大本営ニュースに沸き立つ国民の場面をよく目にしますよね。実際には負け戦なのに大勝利と国民を欺いてきた歴史もあり、「大本営発表」といえば戦後は虚偽や誇張された内容の慣用句にも成り果てていました。

そんな大本営が敗戦が濃厚になってきた太平洋戦争末期に長野市松代地区の3つの巨大地下壕に政府中枢機能ごと移転する工事が進められていました。それが「松代大本営」です。つまり、皇居(宮城)と軍部と霞が関とNHKとNTTが丸ごと引っ越してくるような極秘計画でした。
これが敗戦間際の僅か9カ月の突貫工事で約8割まで完成したそうです。現代のように重機に頼ることも出来ず、それらをダイナマイトと削岩機という殆ど人力で岩盤を掘り進んだわけですから過酷で危険な労働であったはずですし、犠牲者の数も定かではありません。

一般公開されているのは、総延長6km弱の象山地下壕の一部500m部分です。ゴツゴツした剥き出しの岩肌の陰影や折れたまま突き刺さっている削岩機のロッドなどが見てとれます。非公開部分の暗がりを凝視すると足下に岩が転がったままでした。

ここに大本営を移し、本土決戦による「最後の打撃」を連合軍側に与え、有利な条件での和平交渉を引き出そうと虫の良いことを最高指導者たちが本気で考えていたとしたら眩暈がしてきます。戦争の長期化は更なる国民の犠牲を伴ったことでしょうし、今となっては沖縄戦の犠牲は、この松代大本営建設の時間稼ぎだったのかと思われても不思議でもない気がします。勿論ですが、この場所にも強制連行による労働や慰安婦の問題も横たわったままです。

戦後74年目の夏が今年もやってきました。
無事是名馬也。いつか路上で。






















注)「ダーク(サイド)ツーリング」とは、《人類の悲劇を巡る旅》と一般に定義される「ダークツーリズム」から思いついた造語です。ダークツーリズムをバイクでやったらダークサイドツーリングの意のつもりです。

【参考/訪問先関連】
▼松代象山地下壕のご案内(長野市役所)
https://www.city.nagano.nagano.jp/s…/kanko-nagano/22100.html
▼戦争遺跡:松代大本営地下壕と「慰安所」(「もうひとつの歴史館・松代」)HP
http://www.matsushiro.org/

【参考文献】
●「松代大本営」の真実~隠された巨大地下壕
日垣隆著/講談社現代新書/1994年
●ガイドブック[新版]松代大本営
松代大本営の保存をすすめる会編/新日本出版社/2006年
●岩波ブックレット 松代大本営
和田登著/岩波書店/1991年  


  • Posted by 放課後倶楽部♪DX  at 05:01Comments(0)バイク