たまりば

車・バイク・乗り物 車・バイク・乗り物その他 その他


悪路王伝説の窟屋


悪路王伝承の達谷窟(たっこくのいわや)!

「むかし達谷(たった)の悪路王/まっくらくらの二里の洞/わたるは夢と黒夜神(くろやじん)/首は刻まれ漬けられ」なるリズム感溢れる詩は宮沢賢治の処女詩集『春と修羅』に収められた「原体剣舞連」(はらたいけんばいれん)の一節です。鬼才劇作家・林周一作のスペクタクル音楽劇『まつろわぬ民』ではこれを主演の伊藤ヨタロウさんがロックオペラ調(?)に見事に歌い上げていました。

悪路王とは誰かといえば東北一円に流布されてきた蝦夷(えみし)の伝説的リーダー阿弖流為(アテルイ)に重ね合わされます。ここも征夷大将軍の坂上田村麻呂の蝦夷征伐伝承の地のひとつですが、征服者を英雄として祀る場所が東北各地に多数見受けられるという屈折した現象があり、田村麻呂と悪路王が各地で対の存在として光と影を落としています。

切り立った崖にめり込むように建てられたお堂の工法は「懸造」(かけつくり)といって清水寺本堂の舞台を連想させますが、アニメ映画『もののけ姫』でアシタカが暮らすエミシの里のシーンで老巫女ヒイ様が占いをする建物とよく似ている気がしませんか。

帰りがけに社務所で冷たいお茶を頂いていたら、中から「横浜?もしかすると●●●●●●関係の方ですか?」と声を掛けられました。“時雨谷”本部の母屋の茅葺屋根のメンテナンスを担当されている棟梁のお方だったようです。走っていると世間は狭い。

▼達谷窟毘沙門堂 別當達谷西光寺
http://www.iwayabetto.com/mysite1/top.html