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エンジンも花瓶に化ける!?

エンジンも花瓶に化ける!?


これは2000年8月8日に東京・宝生能楽堂で催された第8回飛天双○能『翁付五流五番能』(大倉正之助・松岡正剛プロデュース)会場内ロビーに設えてあった当時の国内市販車最大排気量車のXV1600の心臓ユニットを花瓶に「見立て」た作品です。(江戸の文化って「見立て」の要素が多いですしね)
当日の能楽堂入口には同系のエンジンを搭載したヤマハ『鼓動MT-01』も鎮座していて能楽堂とは思えぬ新鮮で刺激的な空間を演出していました。
ロビー内にはステンレスの鈍い光で茶室も設けられていたのを憶えています。
この斬新な空間創出は『GKダイナミクス』の石山篤さんたちデザイナー集団が手掛けられたものだと思います。
ヤマハのバイクの官能的でエレガンスな“人機一体”のデザインが同社デザインによるものだというのはバイク乗りの間ではあまりに有名な話ですよね。

そもそもこの日の『翁付五流五番能』という能楽の設定が珍しいものでした。
観世流・宝生流・金春流・金剛流・喜多流という能楽の5つの流派が一同に会し、朝8時から夜8時まで行われるのですから、さながら能の「12時間耐久戦」でした。
その全演目(1番能「養老」、2番能「清経」、3番能「井筒」、4番能「張良」、5番能「船弁慶」))を裂帛の気合で大鼓を素手(普通は手のひらは鹿革製の「あて」や、指は和紙を固めた「指皮」でプロテクトするそうです)で敲き続けた大倉さんの指を終演後に拝見させてもらったところ皮が裂けて血が滲んでいました。
恐らく江戸時代か明治時代以降は絶えて久しかったと思われる「五番能」の世界を覗き見ることが出来た稀有で幽玄な体験の一日でした。


▼大倉正之助・大鼓奏者  http://www.hiten-jp.com/
▼松岡正剛 千夜千冊   http://1000ya.isis.ne.jp/top/
▼GKダイナミクス
http://www.gk-design.co.jp/dynamics/index.html

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