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▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その14)

▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その14)

★ライディング・ハイ結成前夜?

▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その14)


愛すべき『Mr.Bike』誌には読者投稿ページとして、“のっとれ出没誌上ゲリラ”というものがありました。どうやらそこに1983年11月5日発売号に載せてもらっていたのを思い出しました(笑)。
というのは、大学内で行ったイベントのビラにそんなものを発見しました。イベントの概要は以下のようなものですが、対象は本学生に限らず実施したので大学の所在地や校内案内図も載せていました。

●明治学院大学(二部)サークル連合会・文化団体委員会’83サークル祭SPECIAL企画
●月刊BEST・BIKEに連帯する企画/高すぎるバイクの高速道路料金と2人乗り禁止問題を考えるお茶会!
●講師:牧園厚氏(ジャーナリスト)/大津卓滋氏(弁護士・東京国際合同法律事務所)
●11月17日 PM6~
4号館3F436番教室

と、まぁ、こんなローカルな場所でも高速料金問題が細々と話し合われていたわけです。
で、問題の『Mr.Bike』の読者投稿ですが

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

【タイトル】神奈川方式三ナイ運動の余波~明治学院大学編
【本文】
 明治学院大学というのは、東京は目黒、五反田、品川の中間あたりに位置し、各最寄り駅からバスを使わないと20分位歩くはめになる。そういう不便な場所ということもあってか、バイク、自転車通学者は1部、2部の学生合わせて500台位はいる。しかし、駐車場がない。仕方なく二輪車を乗ってきた学生達は学校東門に面した国道1号線沿いの歩道に愛車を置くのである。そんな中で、大学当局は所轄の高輪署と結託して、我々二輪通学者に対して不当な抑圧を開始したのである。
 それは’82年11月1日付「白金通信」(大学広報室が学友、父兄及び同窓生に送るため毎月1回発行する新聞のようなもの)に始まった。その誌上にて「歩道のバイク」なる記事が掲載され、次いで総務部の「警告」なる掲示、「警告文」なるビラの車両貼布、学長及び高輪警察署長連名による「告」なる立看板、「白金通信」に学生部によるナンバー記録及び「呼び出し」なる処分予告掲載と続いた。
 この問題の発端である「歩道のバイク」の中に“再三の警告”とあるが、そんなものは全くなく、それ以降行ったものなのだ。そして何より許せないのは、何故、歩道上に盗難、違反キップを恐れながら単車を置かざる得ない状況を考えない態度。さらには“バイク通学途上の事故”などという全く個人選択の分野にまで抑制根拠を結びつけている。

≪5・11 明学二輪通学者学生一揆≫
 遂に我々、二輪通学者は立ち上がったのである。4月20日、二輪通学者井戸端会議は賛同したライダー10数名により発足した。そして5月11日、学生ライダー一揆へと踏み切ったのである。午後5時30分、正門前に単車と共に集合。ところが大学側は完全ロックアウト体制で対抗してきた。そのせいで、門をへだてて千人ぐらいの学生がたむろってしまった。多くの学生は迷惑をかけているにもかかわらず、当局の不当な大学運営への反発に理解を示してくれた。やっと状況を把握したのか山本学生部長から「バイクを入れなきゃ話し合いに応じる」との発言を引き出した。そして7時からキャンパス中央の広場にて立看板を背に爆発集会!7時40分、学生部長他会見。意見&会見要請書を提出し、話し合い、一定の成果を得た。今度の闘いで不十分ながら大学側の一定謝罪ということで、一歩前進はしたものの、我々の闘いは今も尚続いている。全国のライダー諸君、今こそ我々は“連帯”する時だ。権力の不当弾圧を払いのけよう。二輪通学者 井戸端会議

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

これは、ある意味では小さな学内民主化闘争の例だったと思います。
当時も今も都内ではキリスト教建学精神ってことで比較的リベラルな校風と思われてきた大学で発生した出来事だったのが味噌ね♪

バイク通学する理由はココにありまして、バイト先(職場)からバイクだと早く通えるとか、原付なら経済的とか色々あったと思います。そういった実態調査もなしに、突然一方的に「バイク通学禁止→ナンバー控えた→呼び出し処分する」って、あまりにも大学運営が民主的じゃない気がして「ちょっと待ってよ。処分すると恫喝する前に俺らの話も聞いてくんない?」ってだけで始めたんだよね。
でもね、偉そうな学生部なんて1個人のバイク通学者の声なんて耳を傾けてくんないのよ(笑)。
バイク通学禁止だというので、夜間部の学生課の窓口の前にヘルメットを手に皆で集まってウンコ座りして「どうすんべ?困ったもんだよな」と話しあっていたから「2輪通学者・井戸端会議」って名前になったのですが、学生課の職員はそんな困っている学生の姿を見ても向こうからは絶対に声もかけてもくれなかったんだよね。
そこで、そもそも権限の無さそうな夜間部の学生課を相手にしてもラチあきそうにないし、その上の学生部(学生部長ってのは学長の次に権力があったりもするわけで)を交渉の席に引きずり出す方法を考えたわけです。
事前にビラや立看板で夕刻に正門と東門からエンジンを切ったバイクを押して構内に入って集会をすると匂わせるような予告していたので、「そうはさせない」と大学側は2つの門に守衛を配置。いざ私たちが正門前にバイクで登場しただけで慌てて門を閉鎖したものですから、夕方5時半は昼間と夜間の学生の入れ替わる時間なので学生にしたら帰ろうとしても門が閉まって帰れない、登校したのに学校に入れないという大パニック状態。
狙いは日常的空間に異常な「非日常空間」を創出することで、無関心だったり何も知らなかった学生に「一体何が起きているんだ?何でこんなことになっているんだ?」と広く認知してもらうのも目的のひとつで、こちらが姿を見せただけでバイクを構内にも押し入れようともしていないのに勝手に慌てて門を閉めて騒ぎを大きくしたのは学校側の混乱ぶりなんだよね。
収拾がつかないと判断した学生部長が登場して門を挟んで「どこまでやる気だ?」と聞いてきたので「この問題の窓口を学生部が開いてくれて、今後、話し合いが出来るのであれば俺は引きますよ」と笑顔で応じています。
学校側と学生側(後に地域住民も加わるが)の両者が話し合うことで問題解決の糸口を探っていくのが僕的には当たり前の関係性だと思っていたのですが、頭ごなしに「ダメったらダメ!処分だ!」っていきなり言われて引き下がるほどバイク乗りは弱虫じゃないよね(笑)。まさか大学に来てまで、中学生や高校生みたいな扱いされるとは思いませんでした(笑)。

戦後の全員加盟型のポツダム自治会は70年安保闘争の過程で「明学全共闘」によって乗り越えられ、明治学院大に於ける全学自治会組織だった「学友会」は崩壊というか自己解体されていったわけで、その後は昼間部のサークル団体4者(文連・体育会・応援団・愛好会協議会)が代理徴収した学友会費を独占していたわけで、これに対し「学友会組織も既にないのに学友会費という名目で入学時に一般学生全員からお金を集めて、それをサークル団体だけが独占的に活動資金にするのはおかしくないか?他人の金で食うビフテキよりも、自分の金で食うラーメンライスを」と夜間部のサークル団体は反対して、お金を貰わず自腹で活動していました。
当時はそんな僕らの大学でした。
自治会が無い以上は問題は自分達で解決していかないとどうにもならないんだよね。学生部と話し合いのパイプひとつ作るにしても非暴力の実力行使で、バイクを正門前に並べて抗議行動をするところから始めないといけなかったんだよね。

話を高速料金問題の学内イベントに戻すと、ライディング・ハイの結成が翌11月18日だったことを思うと、11月17日の開催って、まぢ結成前日というか前夜だったんだよね(笑)。

しかしさ、MB誌の読者欄に当時投稿したのって間違いなくオレなんだけど、当時はワープロなんて文明の利器は持ってるわけがない1983年ですから手書きで原稿用紙とかに書いて郵便で送ったとしか思えないけど、とにかくひどい出来の文章で読んでいて頭痛がしてきました(笑)。

【文責】小池延幸(58)/ZRX1200 DAEG
明治学院大MC『井戸端会議』初代総長


≪資料≫『RIDE百騎百景』等過去投稿先!
1980年代中期、国を相手に果敢に挑んだ無名の千数百名のバイク戦士たちの軌跡。
ボクは、忘れ去られた者、虐げられながら闘い抜いた者たちの声に想いを馳せたい。

▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.01)
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▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.02)→結成報告/読売新聞
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▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.03)→第1波提訴報道/朝日新聞
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