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『幸福な水夫』読了。

『幸福な水夫』読了。

▼翻訳家・詩人 くぼたのぞみさんのブログ
「エスぺランサの部屋」2017年12月30日付
白い濁り湯にひたる愉楽──木村友祐『幸福な水夫』
https://esperanzasroom.blogspot.jp/2017/12/blog-post_30.html


『幸福な水夫』読了。


僕が感想するなんかよりも、上記のサイトの書評がとっても優れていて良いと思いますので、まずはソッチをどうぞ。
木村友祐さんのデビュー作『海猫ツリーハウス』もそうなんですが、この『幸福な水夫』も読んでいて情景がありありと浮かんでくるという意味で、映像化したら素敵だなと思いました。映画向きというのかもね。
木村友祐さんは収録された書下ろしエッセイ『黒丸の眠り、祖父の手紙』の中で「それにしても、震災前と震災後では、ぼくの書き方はガラリと変わってしまった」と語っていましたが、凡人の僕が読む分には木村さんの作品は震災前と後でもむしろしっかりと繋がっているというか、震災前の作品『幸福な水夫』にも、震災後の作品『イサの氾濫』で爆発する芽が息吹いていると納得、感心、安心したくらいです。
機会があったら木村さんに「それにしても、震災前と震災後では、ぼくの書き方はガラリと変わってしまった」の意味を教えてもらおうっと。ご本人に嘆かれるかもしれないけどね。

今回のこういった作品が生まれるまでには、あれから70年以上の時が必要だったんだとも思いましたし、そんな過去の苦い経験を僕らはどうやら忘れてしまったようですね。再び同じ過ちを繰り返すことにならないことを祈ります。

「幸福な水夫」「突風」の両作品とも読みやすく、その解説も一部兼ねたようなエッセイ「黒丸の眠り、祖父の手紙」もあって、更に作品が理解しやすかった気がします。
祖母の死の日の自宅のある光景を「突風」と表現するってのは、やっぱり小説家って僕とは違うなぁ~と改めて感心していました。そんな光景を目の当たりにはても絶対に僕なんかでは思いつかないもの。作家の視点や視線って鋭いものですね。

次の読書は高橋源一郎さんの『ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた』です。

▼『幸福な水夫』木村友祐著(未來社) 
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624601218

※内容紹介
「それにしても、震災前と震災後では、ぼくの書き方はガラリと変わってしまった」。
「幸福な水夫」(2010年発表)、「突風」(2015年発表)の小説2篇と書き下ろしエッセイ「黒丸の眠り、祖父の手紙」を収録。書き方は変わっても、郷里の家族とちいさな命を見つめるまなざしは変わらない。温かな、ときに激しい南部弁の響きに満ちた作品集。
装丁:佐藤亜沙美
挿画:榎本マリコ

※著者について
木村友祐(きむらゆうすけ)
1970年生まれ、青森県八戸市出身。八戸を舞台にした『海猫ツリーハウス』(集英社、2010年)でデビュー。ほかの著書に『聖地Cs』(新潮社、2014年)、『イサの氾濫』(未來社、2016年)、『野良ビトたちの燃え上がる肖像』(新潮社、2016年)がある。2013年、フェスティバル/トーキョー13で初演された演劇プロジェクト「東京ヘテロトピア」(Port Bの高山明氏構成・演出)に参加、東京のアジア系住民の物語を執筆(現在もアプリとなって継続中)。詩人・比較文学者の管啓次郎氏の呼びかけで2014年よりはじまった「鉄犬ヘテロトピア文学賞」の選考委員もつとめる。

▼FB 木村友祐
https://www.facebook.com/yusuke.kimura.794

▼『イサの氾濫』木村友祐著: 未來社 2012年(2014年)
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624601195
▼『聖地Cs』木村友祐:新潮社 2014年
http://www.shinchosha.co.jp/book/336131/
▼『野良ビトたちの燃え上がる肖像』木村友祐:新潮社 2016年
http://www.shinchosha.co.jp/book/336132/
▼『海猫ツリーハウス』木村友祐:集英社 2009年(2010年)
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-771333-6&mode=1

▼八戸ブックセンター
【開設1周年記念ギャラリー展】紙から本ができるまで展
https://8book.jp/bookcenter/1250/

▽スローベース
http://slowbase.net/
▽木村勝一FB
https://www.facebook.com/profile.php?id=100007817821536


▼『ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた』高橋源一郎著/集英社新書
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-721012-5&mode=1

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