▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説((Vol.19)
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説((Vol.19)
★遂にオートバイの高速料金問題が国会の場に持ち込まれた日・・・。
高速料金問題でライディング・ハイが画期的な訴訟に持ち込んだおかげで世の中大騒ぎになったようです(笑)。
君は知るや?かつて高速道路料金問題を法廷闘争に持ち込み、料金体系の車種区分を変えさせた圧倒的なバイク集団がいた……。
「まつろわぬ」とは「屈服しない」「あらがい迎合しない」「理不尽なことには服従しない」という意味に於いて「バイク乗り」一族に極めて似合う形容詩のような気がするがいかがかな?
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

【出典】
東京中日スポーツ 特報TODAY
1985年(昭和60年)6月14日(金曜日)
【タイトル】
“高速ライダーに朗音”/182万人“待望の市民権”/名神できて23年/悪平等からやっと別料金へ/国会で答弁/建設省、63年メド改定約束/3月に料金返還、提訴したばかり
【リード】
オトキチ、ライダーにやっと朗報がめぐってきそうだ。昭和三十八年、日本に高速道路第一号(名神高速)が開通して以来、二十三年間もほうっておかれたオートバイの高速料金が見直されることになったのだ。これまで四輪乗用車と同じ料金で、まじめライダーがこの春、「不公平料金による返還訴訟」の提訴を起こした矢先。十三日、“オカミ”の建設省はやっと「六十三年をメドに料金改定」の方向を打ち出し、ハイウエーで不公平な扱いをされてきたバイクに、やっとうれしい“料金差別”の春がやってくる。
【本文】
●“軽”も名乗り
ライダーへの“耳よりな話”は、十三日の衆院交通対策特別委で、建設省の布施高速国道課長の口から飛び出した。
オートバイの高速料金が、乗用車と同額で不公平といわれている点について「料金徴収機械のシステムをパンチカード方式から磁気カード方式に切り替え中で、新方式になると、車種区分追加が可能になる」と答弁。機械切り替えが終わる六十三年度以降、オートバイの通行料金を“値下げ”する用意のあることを明らかにしたのだ。
ライダーたちの長年の願いが、ようやく実りそうな状況になったわけだが、頭を抱えるのは建設省幹部たち。
「トラック協会、軽乗用車協会、JAFなんかからも、高速料金への要望は相次いでいる」(同省高速国道課)
「行楽の乗用車と野菜を運ぶ普通貨物が同じなんて----営業車は安くすべき」(トラック)、「トラックやマイクロバスと一緒とは」(軽自動車、普通車代表のJAF)。それぞれに、それぞれの言い分。
「オートバイ料金を変えるとなると、他の要望とのバランスも考えなきゃならんでしょう。道路審議会が今後、どう答申を出すか、それを待たないと」(同)と慎重だが、ライダーにとってうれしい“料金差別”への第一ギアが入れられたことは間違いない。
●社会が変わった
国会での“半歩前進”を歓迎するのは、バイクをこよなく愛するライダーたちだ。
ライダーの一部は、不公平な高速道路料金に対し、この三月末、日本道路公団などを相手取って料金返還の集団訴訟を起こしている。
「高速道での二人乗りさえ禁止されているバイクが定員二十九人のマイクロバスや乗用車と同じ“普通車”の扱いを受けるのは不当。道路損傷などからみても少なくとも半額にしなければおかしい」というのがその言い分。しかも、この不公平の裏にはバイクに社会的偏見があるという反発から訴訟に踏み切った。
代理人の大津卓滋弁護士は「確かに流れは変わってきている。この問題が初めて出た数年前には役所も公団も“この料金体系で公正妥当”とつっぱね続けていたんですよ」という。
●提訴第2弾も
この裁判の原告の顔ぶれは、映画監督の高橋伴明さん、シナリオライターの戸井十月さんらをはじめ弁護士、医師、会社員、デザイナーなどさまざま。第二弾の提訴も予定されているし、ことし八月十七、十八両日には愛知県・伊良湖岬でライダーたちの全国交流会「バイク・ジャンボリー」を開き気勢をあげる。
「日ごろのけものにされている同士の連帯感」(大津卓滋弁護士)をバネに、ライダーたちはどんどん追い打ちをかけていくつもりらしい。
●ライダー激増
建設省が不公平料金是正の方針を示した背景には、ライダーの増加がある。
運輸省によると、高速道路を走行できる排気量百二十五㏄以上のオートバイは現在、全国で百八十二万三千台にのぼっている。五十五年が八十九万二千台ほどだったから、五年間で二倍以上の急増ぶりだ。
しかも、このバイク熱、最近はヤングに限らず、四十歳前後の熟年にも広がっている。
今回の国会の発言は、その辺のブームを踏まえてのこととみられ、六十三年に改定されるとなると、日本に高速道路が登場(三十八年、名神尼崎—栗東間)してから実に四半世紀ぶりに、ライダーがやっと“市民権”を得ることになる。
料金が安くなれば、こんご高速道路でライダー増が予想されるが、取り締まる側はあまり心配していない。
「オートバイの死亡事故の比率はかえって一般道路の方が高いのです。高速道路は停止線もないし、カーブも緩やか。対向車が飛び込んでくる恐れもありませんから、オートバイの走行台数増加はそのまま死亡事故につながらないと思いますね」(警視庁交通局)
という同庁も「スピードを出し過ぎないことです。オートバイは構造的に転倒、スリップしやすいのだから----」
と注文をつける。
料金が安くなるからといっても、スピードオーバーはいけませんゾ。ライダー諸君!
【コラム】
●ツーリングで生きてる実感/『バイクはカンフル剤』
元四輪レーサーで熱狂的バイクファンとしても知られる歌手のミッキー・カーチスさん(46)
やっと二輪にも目が向けられだしたということですかね。いいことですね。ずいぶん遅かったけど。バイクのいいところは五十㏄でも千㏄でも同じなんだけど、気合が入ってないと命にかかわるということですよ。年をとるにつれて緊張感や存在感がだんだんなくなって行く中で、きょうも生きているという実感が持てる。それに、外気に触れ、五感をフルに活用して走るから、春は春のにおい、新宿は新宿の、箱根は箱根のにおいがするんです。ほとんどのライダーは精神的にも身体的にも健康ですよ。日本の文化の特徴は小さく、速くということだとぼくは思うんだけど、バイクはそれにピッタリなんです。場所もとらない、渋滞もない。これからますますバイクを愛する人が増えるでしょうね。バイクに市民権が与えられる一方で、絶対必要なのは、ライダー、ドライバー、歩行者みんなを対象にした徹底的な交通安全教育です。
【写真キャプション】
不平等料金、改定の動きに首都高速を“快走”するオートバイ愛好者たち
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
この中日スポーツの記事の背景には、1984年(昭和59年)12月1日から翌1985年(昭和60年)6月25日まで207日間の会期で行われた第102回・衆議院通常国会での「交通安全対策特別委員会」席上での答弁内容がありました。
この時の議事録はちょっとまだネット上での発見に至っていませんが、議録のコピー資料は幸いにもボクの手元には残っていたので折を見て公開してもいいかなとは考えています。この時、質問に立ったのは当時の社会党(現・社民党)議員だった記憶があります。当時、野党第一党だった社会党は不思議と当初から僕らの取り組みには好意的でした。
続く第103回・衆院(臨時)国会では同様の質疑を公明党の議員がしていた気がします。
この時の議録は幸い下記の衆院のサイト上にありました。
※衆議院HP 第103回 国会(臨時)
★≪高速自動車国道等の通行料金問題に関する質問主意書≫昭和六十年十一月十三日
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumona.nsf/html/shitsumon/a103010.htm
★≪衆議院議員草川昭三君提出高速自動車国道等の通行料金問題に関する質問に対する答弁書≫昭和六十年十二月六日受領
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumona.nsf/html/shitsumon/b103010.htm
戦後、自民党の長期政権下の霞が関の官僚たちや永田町の政治家たちで、道路行政が執り行われていたことを考えれば、オートバイの高速料金を「たかがオートバイ乗りたち」と歯牙にもかけず放置してきたのは政権党の怠慢だったでしょうし、ライディング・ハイが提訴という「怒りの可視化」を実現して世に知らしめたことで監督官庁の建設省も慌てふためき、しかも突きつけた論理があまりに誰もが納得するような常識的内容で、世論の支持を集めつつあることで焦ったのも事実です。それまでいくら署名を集めたり、陳情や請願をしても耳も貸さなかったような連中が、法廷闘争というバイク乗りたちの「奇策」というか「発明」に腰を抜かし青ざめたんだと思います。
“ライディング・ハイ”連絡会による乾坤一擲の提訴行動が、これまであぐらをかいてふんぞり返っていた道路公団や建設省に≪痛撃≫を与えたのは事実だろうな。
バイク集団による道路行政中枢への攻撃に他の4輪団体までもが調子こいてというか便乗してというべきか、図々しくもというべきか、これまで頭が上がらずヘイコラしていたお上に対して、メディアの論調に乗じて一斉に好き勝手に文句をこき始めたのには笑えます。
JAFみたいな巨大な業界団体だって、まさか裁判闘争に討って出るなんて勇気も智恵もなかったわけだし、ましてバイクメーカーにそんな大胆な根性もなかったわけだからね。政治資金というのか献金とかパーティー券購入とかの合法的範囲での応援とお願いは政党や議員にしていたとは思うけどね。
とにかく、提訴前から様々なメディアを利用して、高速道路問題の世論を喚起した意味は大きいと思います。そこでかなり道路行政の本質的な問題に迫っていたとも思います。
署名請願運動とは異次元の法廷闘争に持ち込むという戦術も物珍しさからも世間の注目を浴びたと思います。こんな「発明」を思いついたバイク乗りの弁護団の智恵に感謝だよね。
たかがバイクの高速料金なのに、実は大きく本筋の矛盾や問題を内包していたんですよね。
「大きな世界を変えるのは1人の小さな動きから」ってことですよね。
【文責】小池延幸(58)/ZRX1200 DAEG
明治学院大MC『井戸端会議』初代総長
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
≪資料≫『RIDE百騎百景』過去投稿先!
1980年代中期、国を相手に果敢に挑んだ無名の千数百名のバイク戦士たちの軌跡。
ボクは、忘れ去られた者、虐げられながらも雄々しく闘い抜いた者たちの叫びに想いを馳せたい。今、ここに再び彼らの偉業は甦る・・・。
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.01)
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/743835959110685
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.02)→結成報告/読売新聞
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/744155279078753
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.03)→第1波提訴報道/朝日新聞
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/744797609014520
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.04)→第1波提訴報道/毎日新聞
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/745295015631446
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.05)→日本初のバイクデモ/東京タイムズ
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/745692858924995
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.06)→日本初のバイクデモ/毎日新聞コラム
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/746057775555170
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.07)→東名高速集団走行会
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/746966162130998
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.08)→「オートバイ」誌インタビュー
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/747943218699959
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.09)→バイクジャンボリー1984
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/748209398673341
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.10)→朝日ジャーナル
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/748817658612515
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.11)→提訴前報道/サンケイ新聞
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/749295718564709
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.12)→週刊プレイボーイ
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/749576798536601
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.13)→東京タイムズ
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/750662825094665
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.14)→東京新聞/提訴直前報道
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/751205345040413
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.15)→中日スポーツ/提訴前報道
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/753150251512589
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.16)→週刊読売(部分)
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/753787134782234
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.17)→内外タイムス
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/754273438066937
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.18)→週刊読売(全文)
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/754581538036127
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▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その1)→会員証ステッカー
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/749295648564716
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その2)→茂木モータース・2輪を考える会
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/750413231786291
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その3)→バイクジャンボリー
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/750663231761291
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その4)→BJ84
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/751005391727075
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その5)→BJ85ステッカー
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/751006341726980
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その6)→バイクデモビラ
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/751538301673784
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その7)→小説家高千穂遥さん
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/751908108303470
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その8)→大津弁護士
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/752324338261847
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その9)→BJ84~吉本論文
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/752777328216548
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その10)
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★遂にオートバイの高速料金問題が国会の場に持ち込まれた日・・・。
高速料金問題でライディング・ハイが画期的な訴訟に持ち込んだおかげで世の中大騒ぎになったようです(笑)。
君は知るや?かつて高速道路料金問題を法廷闘争に持ち込み、料金体系の車種区分を変えさせた圧倒的なバイク集団がいた……。
「まつろわぬ」とは「屈服しない」「あらがい迎合しない」「理不尽なことには服従しない」という意味に於いて「バイク乗り」一族に極めて似合う形容詩のような気がするがいかがかな?
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【出典】
東京中日スポーツ 特報TODAY
1985年(昭和60年)6月14日(金曜日)
【タイトル】
“高速ライダーに朗音”/182万人“待望の市民権”/名神できて23年/悪平等からやっと別料金へ/国会で答弁/建設省、63年メド改定約束/3月に料金返還、提訴したばかり
【リード】
オトキチ、ライダーにやっと朗報がめぐってきそうだ。昭和三十八年、日本に高速道路第一号(名神高速)が開通して以来、二十三年間もほうっておかれたオートバイの高速料金が見直されることになったのだ。これまで四輪乗用車と同じ料金で、まじめライダーがこの春、「不公平料金による返還訴訟」の提訴を起こした矢先。十三日、“オカミ”の建設省はやっと「六十三年をメドに料金改定」の方向を打ち出し、ハイウエーで不公平な扱いをされてきたバイクに、やっとうれしい“料金差別”の春がやってくる。
【本文】
●“軽”も名乗り
ライダーへの“耳よりな話”は、十三日の衆院交通対策特別委で、建設省の布施高速国道課長の口から飛び出した。
オートバイの高速料金が、乗用車と同額で不公平といわれている点について「料金徴収機械のシステムをパンチカード方式から磁気カード方式に切り替え中で、新方式になると、車種区分追加が可能になる」と答弁。機械切り替えが終わる六十三年度以降、オートバイの通行料金を“値下げ”する用意のあることを明らかにしたのだ。
ライダーたちの長年の願いが、ようやく実りそうな状況になったわけだが、頭を抱えるのは建設省幹部たち。
「トラック協会、軽乗用車協会、JAFなんかからも、高速料金への要望は相次いでいる」(同省高速国道課)
「行楽の乗用車と野菜を運ぶ普通貨物が同じなんて----営業車は安くすべき」(トラック)、「トラックやマイクロバスと一緒とは」(軽自動車、普通車代表のJAF)。それぞれに、それぞれの言い分。
「オートバイ料金を変えるとなると、他の要望とのバランスも考えなきゃならんでしょう。道路審議会が今後、どう答申を出すか、それを待たないと」(同)と慎重だが、ライダーにとってうれしい“料金差別”への第一ギアが入れられたことは間違いない。
●社会が変わった
国会での“半歩前進”を歓迎するのは、バイクをこよなく愛するライダーたちだ。
ライダーの一部は、不公平な高速道路料金に対し、この三月末、日本道路公団などを相手取って料金返還の集団訴訟を起こしている。
「高速道での二人乗りさえ禁止されているバイクが定員二十九人のマイクロバスや乗用車と同じ“普通車”の扱いを受けるのは不当。道路損傷などからみても少なくとも半額にしなければおかしい」というのがその言い分。しかも、この不公平の裏にはバイクに社会的偏見があるという反発から訴訟に踏み切った。
代理人の大津卓滋弁護士は「確かに流れは変わってきている。この問題が初めて出た数年前には役所も公団も“この料金体系で公正妥当”とつっぱね続けていたんですよ」という。
●提訴第2弾も
この裁判の原告の顔ぶれは、映画監督の高橋伴明さん、シナリオライターの戸井十月さんらをはじめ弁護士、医師、会社員、デザイナーなどさまざま。第二弾の提訴も予定されているし、ことし八月十七、十八両日には愛知県・伊良湖岬でライダーたちの全国交流会「バイク・ジャンボリー」を開き気勢をあげる。
「日ごろのけものにされている同士の連帯感」(大津卓滋弁護士)をバネに、ライダーたちはどんどん追い打ちをかけていくつもりらしい。
●ライダー激増
建設省が不公平料金是正の方針を示した背景には、ライダーの増加がある。
運輸省によると、高速道路を走行できる排気量百二十五㏄以上のオートバイは現在、全国で百八十二万三千台にのぼっている。五十五年が八十九万二千台ほどだったから、五年間で二倍以上の急増ぶりだ。
しかも、このバイク熱、最近はヤングに限らず、四十歳前後の熟年にも広がっている。
今回の国会の発言は、その辺のブームを踏まえてのこととみられ、六十三年に改定されるとなると、日本に高速道路が登場(三十八年、名神尼崎—栗東間)してから実に四半世紀ぶりに、ライダーがやっと“市民権”を得ることになる。
料金が安くなれば、こんご高速道路でライダー増が予想されるが、取り締まる側はあまり心配していない。
「オートバイの死亡事故の比率はかえって一般道路の方が高いのです。高速道路は停止線もないし、カーブも緩やか。対向車が飛び込んでくる恐れもありませんから、オートバイの走行台数増加はそのまま死亡事故につながらないと思いますね」(警視庁交通局)
という同庁も「スピードを出し過ぎないことです。オートバイは構造的に転倒、スリップしやすいのだから----」
と注文をつける。
料金が安くなるからといっても、スピードオーバーはいけませんゾ。ライダー諸君!
【コラム】
●ツーリングで生きてる実感/『バイクはカンフル剤』
元四輪レーサーで熱狂的バイクファンとしても知られる歌手のミッキー・カーチスさん(46)
やっと二輪にも目が向けられだしたということですかね。いいことですね。ずいぶん遅かったけど。バイクのいいところは五十㏄でも千㏄でも同じなんだけど、気合が入ってないと命にかかわるということですよ。年をとるにつれて緊張感や存在感がだんだんなくなって行く中で、きょうも生きているという実感が持てる。それに、外気に触れ、五感をフルに活用して走るから、春は春のにおい、新宿は新宿の、箱根は箱根のにおいがするんです。ほとんどのライダーは精神的にも身体的にも健康ですよ。日本の文化の特徴は小さく、速くということだとぼくは思うんだけど、バイクはそれにピッタリなんです。場所もとらない、渋滞もない。これからますますバイクを愛する人が増えるでしょうね。バイクに市民権が与えられる一方で、絶対必要なのは、ライダー、ドライバー、歩行者みんなを対象にした徹底的な交通安全教育です。
【写真キャプション】
不平等料金、改定の動きに首都高速を“快走”するオートバイ愛好者たち
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
この中日スポーツの記事の背景には、1984年(昭和59年)12月1日から翌1985年(昭和60年)6月25日まで207日間の会期で行われた第102回・衆議院通常国会での「交通安全対策特別委員会」席上での答弁内容がありました。
この時の議事録はちょっとまだネット上での発見に至っていませんが、議録のコピー資料は幸いにもボクの手元には残っていたので折を見て公開してもいいかなとは考えています。この時、質問に立ったのは当時の社会党(現・社民党)議員だった記憶があります。当時、野党第一党だった社会党は不思議と当初から僕らの取り組みには好意的でした。
続く第103回・衆院(臨時)国会では同様の質疑を公明党の議員がしていた気がします。
この時の議録は幸い下記の衆院のサイト上にありました。
※衆議院HP 第103回 国会(臨時)
★≪高速自動車国道等の通行料金問題に関する質問主意書≫昭和六十年十一月十三日
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumona.nsf/html/shitsumon/a103010.htm
★≪衆議院議員草川昭三君提出高速自動車国道等の通行料金問題に関する質問に対する答弁書≫昭和六十年十二月六日受領
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumona.nsf/html/shitsumon/b103010.htm
戦後、自民党の長期政権下の霞が関の官僚たちや永田町の政治家たちで、道路行政が執り行われていたことを考えれば、オートバイの高速料金を「たかがオートバイ乗りたち」と歯牙にもかけず放置してきたのは政権党の怠慢だったでしょうし、ライディング・ハイが提訴という「怒りの可視化」を実現して世に知らしめたことで監督官庁の建設省も慌てふためき、しかも突きつけた論理があまりに誰もが納得するような常識的内容で、世論の支持を集めつつあることで焦ったのも事実です。それまでいくら署名を集めたり、陳情や請願をしても耳も貸さなかったような連中が、法廷闘争というバイク乗りたちの「奇策」というか「発明」に腰を抜かし青ざめたんだと思います。
“ライディング・ハイ”連絡会による乾坤一擲の提訴行動が、これまであぐらをかいてふんぞり返っていた道路公団や建設省に≪痛撃≫を与えたのは事実だろうな。
バイク集団による道路行政中枢への攻撃に他の4輪団体までもが調子こいてというか便乗してというべきか、図々しくもというべきか、これまで頭が上がらずヘイコラしていたお上に対して、メディアの論調に乗じて一斉に好き勝手に文句をこき始めたのには笑えます。
JAFみたいな巨大な業界団体だって、まさか裁判闘争に討って出るなんて勇気も智恵もなかったわけだし、ましてバイクメーカーにそんな大胆な根性もなかったわけだからね。政治資金というのか献金とかパーティー券購入とかの合法的範囲での応援とお願いは政党や議員にしていたとは思うけどね。
とにかく、提訴前から様々なメディアを利用して、高速道路問題の世論を喚起した意味は大きいと思います。そこでかなり道路行政の本質的な問題に迫っていたとも思います。
署名請願運動とは異次元の法廷闘争に持ち込むという戦術も物珍しさからも世間の注目を浴びたと思います。こんな「発明」を思いついたバイク乗りの弁護団の智恵に感謝だよね。
たかがバイクの高速料金なのに、実は大きく本筋の矛盾や問題を内包していたんですよね。
「大きな世界を変えるのは1人の小さな動きから」ってことですよね。
【文責】小池延幸(58)/ZRX1200 DAEG
明治学院大MC『井戸端会議』初代総長
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≪資料≫『RIDE百騎百景』過去投稿先!
1980年代中期、国を相手に果敢に挑んだ無名の千数百名のバイク戦士たちの軌跡。
ボクは、忘れ去られた者、虐げられながらも雄々しく闘い抜いた者たちの叫びに想いを馳せたい。今、ここに再び彼らの偉業は甦る・・・。
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.01)
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▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.02)→結成報告/読売新聞
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▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.03)→第1波提訴報道/朝日新聞
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▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.05)→日本初のバイクデモ/東京タイムズ
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▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.08)→「オートバイ」誌インタビュー
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▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.09)→バイクジャンボリー1984
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▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.10)→朝日ジャーナル
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▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.11)→提訴前報道/サンケイ新聞
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▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.12)→週刊プレイボーイ
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▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.13)→東京タイムズ
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▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.14)→東京新聞/提訴直前報道
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▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.15)→中日スポーツ/提訴前報道
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/753150251512589
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.16)→週刊読売(部分)
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/753787134782234
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.17)→内外タイムス
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/754273438066937
▼まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(Vol.18)→週刊読売(全文)
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/754581538036127
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▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その1)→会員証ステッカー
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/749295648564716
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その2)→茂木モータース・2輪を考える会
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/750413231786291
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その3)→バイクジャンボリー
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/750663231761291
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その4)→BJ84
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/751005391727075
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その5)→BJ85ステッカー
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/751006341726980
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その6)→バイクデモビラ
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/751538301673784
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その7)→小説家高千穂遥さん
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/751908108303470
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その8)→大津弁護士
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/752324338261847
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その9)→BJ84~吉本論文
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/752777328216548
▽まつろわぬバイク乗り『RIDING-HIGH』の伝説(番外編その10)
https://www.facebook.com/halumotoride/posts/753275184833429
最新号でもプチ貢献?紹介されました。
ジャケット増殖中!?
25日の本番に向けた予行演習に参加!
慣れない(普段は滅多にやらない珍しいこと)をすると雨が降る!
些細なとらぶる発生!ネジゆるむ(笑)
告知
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