たまりば

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年頭からマンガ三昧で息抜き中♪

書店に寄ったら“青春の巨匠”吉田聡の新刊本が目に入りました。
大学生時代に『湘南爆走族』(1982年)で笑い転げていた世代だけに彼の作品は外せません。
まるで、かつての『湘南グラフィティ』(1988年)の面々が時を経て悲喜こもごもな中年になって蘇ったかのような印象を受けた『そのたくさんが愛のなか。』(2017年)も5巻で完結だそうです。これも主人公はバイク(SR400)で登場するし、“湘爆”の権田二毛作(地獄の軍団)も登場するのでバイク漫画の片隅に位置付けても良いと思います。56歳のオヤジになったかつての若者たちの再会をテーマにした一服の清涼剤のような作品です。

一方、“湘爆”直系(?)の『荒くれKNIGHT』も新シリーズ「リメンバー・トゥモロ―」ってのの連載が始まっていたみたいです(笑)。第1巻の単行本を書店で発見するまでまったく知りませんでした(苦笑)。

僕のように60歳を目前にしながらも“青春時代の尻尾”を引き摺りながら、相変わらずバカなことを夢想しては遊んでいるのは愚か者と世間様からは笑われますが、だからといって「変わっちゃいないぜ俺達!」と示すことで他人様から罰を受けるほどまでの筋合いもありません。「バイク乗り」なんて人種は昔っから大なり小なり「まったく、いい歳こいて・・・」と冷たい視線を浴びてきたものなのでしょう(笑)。
そんな事情も中年リターン組や高齢ライダー層の増加で、日本のバイク文化の成熟や進展が勝ち取れるなら少しは僕らを取りまく環境にも変化があるのかもしれませんよね。

吉田聡さんという作家は日本アニメ界の巨人・宮崎駿さんの評価も高いようです。吉田聡傑作短編集『バードマン★ラリー 鳥人伝説』(1990年)に宮崎駿監督が後書きで「吉田聡はドン・キホーテである」という一文を寄せています。
高村光太郎のあまりに有名な『道程』の一節「僕の前に道はない。僕の後ろに道はできる」を引き合いに出しながら吉田聡作品を解説していました。

「マニュアルだらけの時代である。ビジネスマンになるにも、つっぱりになるにも、マンガ家や将棋指しになるにも、マニュアルが用意されている。針路を決めたとたん、手引書に従ってコース通りに務めなければならない。それがいやさに、針路を決めずに時間をかせぐと、結局どの辺に収まるかというマニュアルも出地ちまってる。ぼくの前に道はない。自分は荒野へ歩み出すのだと、一寸前の詩人は戦慄と気合いをこめて語った。自分達凡俗も、その言葉にそれなりの意気を感じた時代に比べて、今はなんと生きにくいのだろう。(中略)立ち止まれば後ろから押され、こずかれ、ズルズル進んでしまう。損のないよう決められた道を進むしかない、そう感じている若者がなんと多いのだろう。」の書き出しで始まるのですが、多様化が建前として叫ばれる一方で、妙な同調圧力や画一化が進行している最近の息苦しささえ感じる世相を約20年も前に言い当てている気がします。
そんな中で「吉田聡の作品は、その世相に対する一貫した異議申し立てである。『湘南爆走族』はその傑作であるが」と、モラトリアムな学園生活での物語という限界に触れながらも「『湘爆』以降の彼の仕事を見ると、作者自身がその後の江口達について考えつづけているのが判る。(中略)膝を折ってしまった、あるいは折れかかった少年が、いかに自分の脚で立つかを、彼は熱をこめて語ることで答えようとしている。」と評価していました。
そして結びでは「自分の脚で立とう。習った言葉ではなく、自分の心を表す自分の言葉を探そう。そうすれば、大渋滞の舗装道路の中にあっても、荒野を前に立つ戦慄と熱き想いがあるのだと、吉田聡は絶叫しているのだ。ドン・キホーテである。ぼくはドン・キホーテが好きだ。」としています。
スーツ姿での満員の通勤電車に揺られながらの日々でも「荒野」は見いだせるし、踏み出せるし、地図もレールも燃やすことは可能だということでしょう。

ちなみに高村光太郎の9行詩の「道程」には、「どこかに通じている大道を僕は歩いているのじゃない」で始まる102行の初出の長詩も存在します。
これはこれでまた趣き深いものがあります。





▼「そのたくさんが愛のなか。5」吉田聡 小学館
https://www.shogakukan.co.jp/books/09860158
▼「荒くれKNIGHT リメンバー・トゥモロー 1」吉田聡 秋田書店
https://www.akitashoten.co.jp/comics/4253141862


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    Posted by 放課後倶楽部♪DX  at 09:07 │Comments(0)本棚

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