たまりば

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迫る巨万の官軍、援軍が期待出来ない鬼たちの運命は・・・。


迫る巨万の官軍、援軍が期待出来ない鬼たちの運命は・・・。







傑作音楽劇『まつろわぬ民』(風煉ダンス)に登場する蝦夷たちの頭には鬼のような角が生えています。
「鬼」の文化史を考えると、説話や伝説、おとぎ話や昔話、芸能、遊戯などに登場するある意味では≪想像上の鬼≫とは別に、≪実在の鬼≫が存在する気がします。
つまり≪実在の鬼≫は、反体制的な人々や村落共同体から排除された人々が「鬼」と見なされていた部分があるような気がしてなりません。
そういった自分たちと異なる「他界」に暮らす者達を「鬼」とラベリングして恐れ警戒したのでしょうね。そういえば、先の大戦でも「鬼畜米英」なんて言葉も我が国には溢れていましたっけね。

子供の頃に親しんでいた遊びの「鬼ごっこ」や「かくれんぼ」や「田んぼ鬼」(十字鬼)にしても「鬼」役は登場していました。
無意識の内になんとなく鬼からは逃げて身を守るべきで、鬼は怖いものと身に植えつけられていたのかもなぁ~。かくれんぼでは鬼は1人で隠れている奴を探して彷徨うわけで、あれも今思えば鬼は孤独な立場だった気がします。
でもさ、神社の境内とか廃工場や家々の隙間の路地などでかくれんぼ遊びをしていたのですが、怖がりの僕は鬼から隠れてジッと息を殺している時の背後の闇に潜む何者かの気配の方が怖かったかもなぁ~。

「鬼ごっこ」って、鬼とそうでない側の対立の構図がありますし、そうでなければ遊びとして成立もしませんよね。明らかに鬼はそうでない者と区別され、排除された存在です。全員が鬼でも成立しませんし、逃げる側全員が鬼につかまったらゲームは終わりです。
つまり鬼は常に誰かにとって必要で、なくならないというわけです。
それを考えると、鬼って社会構造的に生みだされた差別や分断って気もしてきてなりません。
まぁ、そんな毎度の世迷言はさておき、それでは今秋最大級の話題作『まつろわぬ民2018』って、どんな作品なのでしょうか。

その前に触れておきたいのは、この作品が「音楽劇」でもあるということです。
劇伴というのでしょうか、効果音も含めたド迫力の生演奏生歌付なのです。
フリージャズ集団『渋さ知らズ』メンバー3人の“風煉バンド”(?)の演奏に、歌姫・白崎映美さんや伊藤ヨタロウさんや出演者の歌が繰り広げられるそれはそれは豪華なものです。
しかも殆どの劇中歌の作詞を座付き作家の林周一さんが書き下ろしていますが、本当にこの方は脚本家でもあり役者でもあり「鬼才」の一言に尽きます。
あれ?やっぱり林さんも「鬼」一族だ♪(笑)

写真は2014年の初演時のものですが、昨年の再演時は更に桁外れのスケールのセットに大爆発していました♪
今年もきっと「あっ!」と客席が驚くような演出が用意されている気がしてなりません。

芝居のタイトルにもある「まつろわぬ」とは、「容易に屈服、服従しない」という意味ですから、自由を希求して止まない僕らバイク乗りやROCKERの生き様や感性にはピッタリの作品だと思います。
息苦しい今の我が国の状況を真正面から撃ちながらもお堅いこと抜きの笑える超エンタメ作品に仕上がっています。(きっと♪)

東日本大震災~原発事故を受けた年末に発表された木村友祐さんの小説『イサの氾濫』(未來社)があります。『恋する原発』(高橋源一郎著)や『想像ラジオ』(いとうせいこう著)といった「後震災文学」に並ぶ金字塔のひとつとしてこの後も間違いなく高く評価される作品だと思います。
古くから蝦夷(えみし)と呼ばれ、大和朝廷から“まつろわぬ民”(服従しない民)と目された寡黙な東北の民よ、今こそ叫べ!という熱いメッセージが込められた作品に「全身の血が逆流した」というのが歌手・白崎絵美(上々颱風)でした。
「私もその末裔だ!」と『白崎映美&東北6県ろ~るショー!!』を結成し、ロック、ジャズ、歌謡、民謡が見事に融合した東北の土着感溢れる音と歌を被災地や全国行脚で届けてきました。
その熱い歌に触発された演劇集団『風煉ダンス』が、2014年、白崎主演の音楽劇『まつろわぬ民』を創作上演。調布市せんがわ劇場の観客動員記録を塗り替える連日満席の大反響でした。
昨年は異才伊藤ヨタロウらの新キャスト、新演出で東京、いわき(福島県)、山形で再演し約3千人を動員し再び大反響を呼び起こしました。
コトバから歌へ、歌から劇へとうねりを上げる“まつろわぬ民”の〈氾濫〉が、今年、東京、酒田(山形県)、八戸(青森県)での地で、2018年版として上演されます。

風煉ダンスの芝居の特色である観る者の度肝を抜くその特異な美術・空間表現は常に圧倒的で、天衣無縫のフリージャズ集団『渋さ知らズ』メンバーによる血沸き肉躍る迫力の生演奏(劇伴)は今回も健在です。
〈破天荒な人力スペクタクル音楽劇〉、〈全身全霊芸術〉などと大絶賛の公演をお見逃しなく。

2018年は原点から物語を見つめ直す年として、歌「まづろわぬ民」を生んだ小説「イサの氾濫」の作者木村友祐の故郷八戸。そして白崎映美の故郷である酒田へ!先立つ東京公演は、三鷹市公会堂・光のホールにて。
≪不屈の民≫の小さき炎があなたの胸に確かに灯る・・・みたいな内容の作品です。

あ~一カ月先の公演なのに今から無性に血が騒ぐ!!



◇◆◇◆ ◇◆◇◆ ◇◆◇◆ ◇◆◇◆

いつかは屍になる者どもよ
風に舞う死者の声を聞け
その胸に小さき炎を燃やし

立ち上がれ言葉
ひるむな魂よ
おまえの援軍はここにいる

◇◆◇◆ ◇◆◇◆ ◇◆◇◆ ◇◆◇◆





▼まつろわぬ民2018 特設サイト
https://alafura6.wixsite.com/furendance

演劇集団 風煉ダンス
東京・酒田・八戸 三都市連続公演
『まつろわぬ民2018』

◆11月15日19:00、16日14:00
三鷹市公会堂・光のホール
◆12月1日(土)13:30
酒田市民会館・希望ホール
◆12月7日(金)14:00/19:00、8日(土)14:00
八戸市公会堂文化ホール

まつろわぬ民とは ”あらがい迎合しない者”
舞台は怪しげな老婆が住む一軒のゴミ屋敷。役所によるゴミの強制撤去が行われようとしたその時、ゴミと思ったものはいつしか魂の宿った付喪神! 長い眠りは解かれ、押し込めた記憶が現代に馳せて問いかける。
この作品は、忘れ去られる者、虐げられながらも闘い続けている者に思いを寄せ、古代の東北と現代を大胆に往還する人力スペクタクル音楽劇。「上々颱風」「東北6県ろ〜るショー!!」の歌姫・白崎映美を主演に迎え、2017ツアーでは東京、いわき、山形で3千人を動員した。2018は、白崎の生まれ故郷の酒田、そして「まつろわぬ民」の原点である八戸にて、新キャスト新演出で再び壮大な舞台を立ち上げる。

作:林周一 演出:林周一 笠原真志
音楽・演奏 辰巳小五郎 関根真理 ファン・テイル
出演:白崎映美 伊藤ヨタロウ
反町鬼郎 リアルマッスル泉 吉田佳世 吉成淳一
御所園幸枝 笹木潤子 堀井政宏 山内一生 飯塚勝之
柿澤あゆみ 塚田次実 内田晴子 外波山流太
サモ★ハン 木村勝一(ごめ企画) 仲坪由紀子
服部ひろとし 奈賀毬子(肯定座)岸野健太(てがみ座)柾谷伸夫(ごめ企画・八戸公演のみ出演)
林周一 笠原真志
チケット:全席自由/入場は当日受付順
一般(前売・当日共) 4,500円
       ペア割 8,000円(2名様) 
        U25  2,500円 
       中高生  1,000円
東京公演・前売り開始:9月1日10:00
◆Quartet Online(カルテット・オンライン)
 https://www.quartet-online.net/ticket/tokyo-maturowanu2018

▼演劇集団 風煉ダンス
https://www.facebook.com/furendance/
http://www.furen-dance.info/about.html
▼風煉ダンスの軌跡 ( 1990年〜2015年)
https://www.youtube.com/watch?time_continue=33&v=aTh0iPFoWr0

▼特別企画 テント芝居・野外劇の現在形
【劇評】『まつろわぬ民』風煉ダンス2017
東北百鬼夜行絵巻を 大江戸先住民が観る ~
平井玄 (批評家)
http://www.geocities.jp/azabubu/artissue/a11/011sp_hirai.html

▼白崎映美 新旧インフォメーションサイト
https://emishirasakinew.amebaownd.com/
http://emishirasaki.com/
https://www.facebook.com/emishirasaki
▼白崎映美&東北6県ろ~るショー!!
https://www.facebook.com/tohogu6/
▼フォトエッセイ『鬼うたひ』白崎映美著 亜紀書房
http://www.akishobo.com/book/detail.html?id=756

▼小説『イサの氾濫』木村友祐著/未來社
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624601195
▼木村友祐 https://www.facebook.com/yusuke.kimura.794

▼たちかわ創造舎
https://tachikawa-sozosha.jp/share-office-member/furen-dance

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▼『まつろわぬ民』2017特設サイト
https://furendance.wixsite.com/matsurowanu2017
▼風煉ダンス公演「まつろわぬ民2017」 予告編
https://www.youtube.com/watch?v=ib6Njrg-UvQ
▼『えんぶ』no.6(2017年8月号)
【特集】演劇集団 風煉ダンス公演『まつろわぬ民 2017』
http://enbu.shop21.makeshop.jp/shopdetail/000000007746/ct2331/page1/order/
▼風煉ダンスが問題作『まつろわぬ民』2017を再演、白崎映美、伊藤ヨタロウら出演で東京&東北巡演
https://spice.eplus.jp/articles/125788

▼林周一 https://www.facebook.com/syuichih
▼笠原真志 https://www.facebook.com/masashi.kasahara.3?fref=ufi
▼伊藤ヨタロウ
https://www.facebook.com/itoyotaro
▼辰巳小五郎
https://www.facebook.com/mitsuhide.tatsumi
▼木村勝一
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